「イラク戦争」討論欄

実事求是

2004/09/16 銀河（元天邪鬼）６０代以上画家

　ご自身では反植民地闘争を支持し、侵略者を憎む気持ちがあり、私もあなたがそのような方だと認めます。
　しかし昨日投稿して、今朝この欄を読みますと曙光の兆さんに武装勢力の人質になった、逃げる子供達を射撃したのが、ロシア特殊部隊であったとあなたが強弁したことに対して右翼的な立場から「嘘」であるといわれています。私は左翼としての立場からも「嘘」であると言います。
　どんなに認めたくなくとも事実に目をそむけて論をなせば必ず崩れます。事実を基礎にしなければ不毛の論争になります。あなたは論争が好きですが、論争から得られるものは相手に対する屈服を強いるか自分が逃げ出すかのどちらかでした。論争によって何か新しい認識に双方が得られることに意味があるのでしょう。
　希望によって事実をゆがめる見方、それを強弁することが反戦の戦いを弱めるのです。そしてあなたはまじめな活動家からは孤立するしかないのです。逆です。どんなに凄惨な事実でもそこから希望を見出していかねばならないのです。
　「実事求是。」毛沢東の言葉です。
　私は曙光の兆しさんと同じ事実を見ながら、それでも小学校に立てこもり体育館の爆発と同時に逃げ出した子供達を射撃したロシアのチェチェン支配に抵抗する武装勢力を支持し、自らも命を絶っていった彼らを賞賛するのです。この主張のほうが勇気が要ります。しかし次のように続ければ１０人のうち１人は理解します。
　なぜならばロシア軍はチェチェン人を20万人も殺し、その中の子供達を２割と見ても2万人も殺しています。体育館の悲惨さの400倍、ロシアの小学校で死んだ子供達1 人に対して400人のチェチェンの子供達が殺されたのです。ロシア人がもう子供達を殺されたくなければ自国政府を打倒せよというチェチェン武装勢力の文字通り死をかけたメッセージとして受け取ります。
　イラクで人質になって首を切り落とされたマイケル、２人の日本人ジャーナリストが射殺された事件、これらの犯人がアメリカＣＩＡであると強弁したためにあなたに対するパッシングがあった時、さざ波編集部はこの討論を打ちきってくれたのですが、それであなたは救われました。
　しかし曙光の兆さまに指摘されるように、次々とこの様な根拠のないことを吹聴し、それに対する私のような批判者には右翼以上の悪質な人間だと罵倒するようなことがなぜ許せましょうか。まじめにこつこつと反戦を戦っている人たちにとってこの様なデマが味方から流されるのがどんなに辛いことでしょうか。私たちは生活人です。あなたのようなことを、労働者や、知り合いの人たちに喋り歩けばたちまち行くところがなくなります。もっと深く、人々の中に入ればあなたは素晴らしい指導者になれるのに、私は残念です。まれに見る扇動家としてあなたはここでも評価されています。だが扇動かが陥りやすいデマゴギーに対して用心深いのもさざ波の読者です。反戦、平和の意思は労働者の中に浸透され彼らが立ち上がってくれてこそ体現されていくのです。労働者の心を捉えられない言葉には何の意味もありません。　アナーキズムとファシズムは根底において同じ基盤があります。それは人民から遊離していることです。
　私たちは誰でも間違いなしに行動をすることは出来ません。しかし誤りを起こせば開き直らずに、率直に謝り、二度と同じ繰り返しをしないようにその思想的原因を追求しなければならないと思います。逆に正当化すればするほどドツボにはまるのです。どちらを取るかあなたの自由です。