戦争と災害の見方に関する反論に応えて(阿修羅より)
私はさざ波通信で、一貫して「命の公正」を訴えてきました。
1000人のイスラム人に一人のアメリカ人といった不公平な感覚に、憤りをもち、
同時多発テロの死亡者一人に2億といった賠償金、そして、米国の爆撃被害者数人に
計、10数万の賠償金の訴え。そもそも、こういった表面的な数字からでも、圧倒的
な理不尽な土俵がしかれている力関係が分かります。
私は、まず、このことからの疑問と怒りが原点となって、戦争を読み取り始めまし
た。そうすると見えてくるわ見えてくるわ。なぜ、今までわからなかったのかと、ま
るで、自分がゆで蛙の典型であることがわかりました。
あなたという方は、相変わらず、米国のあるいは、日米同盟の枠内からしか世界が
見えていません。あるいは、世界の機構を保つ土俵(利害上)から一歩もおりないで、
高みの見物で、物事を考えています。
日本人という枠にとらわれていては、わたしとかみ合うはずがありません。それに、
私は、何回もいってますが、マスクスもレーニンもスターリンも、とんと、しりませ
ん。共産党からは何の影響も受けていません。小林多喜二を知ったのは、日本文学史
からです。
私は、9・11がおこり、ビンラディンが数少ないメッセージを放ち、ブッシュが
洪水のように垂れ流す「ケダモノ言葉」を検証し、以降、テレビ、新聞等の情報を検
証し、著書を何十冊とよみ、自分なりの考えを深めてきました。
あなたの長い文章から、私が読み取ったのは、自らを裸にしてみつめなおしてから、
きてくださいということです。自分の地位も、肩書きも、性別さえも、はぎとって、
いまの戦争をみつめ、かたってください。
確かに、今、日本の貧しい災害対策の露呈にいらだっていても、仕方がないことは
理解しています。香田さんの死に、コイズミや自衛隊に怒りの矛先を向けるだけです
む問題ではないことも承知しています。
ただ、だからといって、募金活動をし、追悼集会にいき、お香典を手向ければいい
という以前に、これらの根源を考えなければ、不幸は延々と続くといっているのです。
仮にも、日本は、テロや災害対策を声高にがなり立て、北朝鮮脅威を理由に、有事
法案を完備してきました。こういう流れを意識して、私はものを言っています。これ
は、図らずも、私隊の子供の命をうばう政策です。日本人の未来を奪う政策です。
災害だとか自衛だとかを口実に、日本をつぶす政策が延々とやられ、併行してイラ
クに軍隊を派兵し、実に20万人以上のイラク人が殺されて(殺して)しまったので
す。こういう、無謀な政府主導のやるがままにしてきた私達の脳みそが、地震で破壊
されてしまえば、これ以上の他国の殺戮は止むのではないかと考えることがそんなに
おかしいでしょうか。私の考えに異論を唱えるあなたは、イラクの人から見れば、ど
うなのでしょうか。
4月、ファルージャで1000人の子どもや女たちの殺戮、一方で3人の人質の命。
どっぢも重いなら、公平なら、あのときのメディア、恐らくあなたも含めて日本人の
狂騒がどれほどのものかお分かりになるのではありませんか。香田さんが犠牲になっ
た今こそ、冷静にこの状況を分析することが、今私達には求められていると思います。
私は、香田さん、先の5人の人質にしても、いつも、自らが、あるいは私の子供が
と考えながら、掲示板に向っています。他人事として、考えていないからこそ、また、
身びいきで考える問題でないからこそ、中立な、厳しい発言になるときもあります。
聞く立場が違えば、許しがたいと思う人もいて当然でしょう。ならば、私はその方た
ちに、同じ問いを発したいと思います。イラクのファルージャの地点から。
地震で被害にあっている方、香田さんのご家族、あえてこの今わの状況にいいます。
ファルージャでサッカー場に山となったこどもの遺体を想像してください。言うまで
もなく、香田さんご家族は、イラクの人のことをおもうコメントを発信されています。
あなたとは大違いです。
そして、新潟の被災地で、どなたかがいった「ありのままの被害状況を首相にみて
もらえばいい」という言葉を、みんながといかけて欲しいと思います。私はいくらな
んでも、これほど、お粗末な日本国だとは思いませんでした。地震で牛が道路に陥没、
それさえも助けられない日本。中には牛は財産だからとボランティアたちが動く。な
らば、猫は財産でないのか。猫と涙混じりにお別れする女性。彼女にとっては家族同
様な存在ではないのか。
ともかく、日本という国は、軍国化への道を邁進しつつ、病人や老人、動物などが
どんどん切り捨てられる国に成り下がっているのです。必然的に、自分が中心、他人、
他国は二の次、三の次となっています。
こうした全体を把握した上から、問題意識を投げかけてください。
また、どうであれ、人がいくら自発的であれ、本名を名乗っているのですから、そ
れなりにエリを正して向き合ってくれても善いかなと思うだけです。非難するときだ
け、新たなハンドル名では、アラシ的な範疇に入れたくもなりますよ。
余談ですが、私がこうして発している行為は無駄にはなっていないと思います。都
の災害対策を皮肉った私の発言に影響されてか、石原氏の発言は、「地域にヘリコプ
ターを」といってました(朝日新聞)。先には、テレビで、「東京都のハイテクレス
キュー隊が大活躍」でした。ならば、話題性になるときだけでなく、今、東京都から
どんどん、ハイテクレスキュー隊が動けばいいのにと思います。数日前には、東京都
葛飾区の共産党議員が消防庁施設の貧困を解消するように提言したばかりでした。
(もしかしたら、私の原稿は載らないのかもしれませんが、だめもとで投稿してい
ます。有島さんも指摘されていますが、この世の中を憂い、よりよい変革を切望しよ
うとする熱意をくじくことが、さざ波にふさわしいとはおもいません。また、時間差
は仕方ないとして、これほどまでに、報道体制の敷かれた戦時下での発言には中身を
こそ、問うべきです。無難に、公安のお伺いをするかのような討論ごっこは、似合わ
ないかと思います。編集部の意向が投稿者に反映することは必然です。また、掲示板
もグローバルになっています。)