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「イラク戦争」討論欄

ある公務員の決意、別の目線から見たイラク戦争

2005/03/14 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 今イラク問題で”西谷文和”さんが頑張っている。
 元公務員でこれまで有給休暇を取って、ボスニアやアフガン、2度のイラク現 地入りなどを果敢に決行した40代の頼もしい人物である。
 しかしご多分にも今、公務員の立場はつらい、この間イラク行きには上司から の再三の警告や嫌がらせを受けたらしい、結局「自分の好きなやりたい道を歩 む」と昨年一杯で退職を決意した。
 これまでの公務員としての腐り縁、様々なしがらみを断ち切って、古い言葉だ が「40歳代にして立つ」たのである。
 「つどい」での、彼の映像と言葉は新鮮である、彼の映像は間違いなく「バリ ケードの内側」から、イラクで言えばイラクの闘う人々、武装抵抗勢力の目線で 撮られたものだから、既存のジャーナリストとは一歩も二歩も違い、鋭く、生々 しく、そして臨場感溢れたものとなっている。
 日頃私達がテレビや新聞で、何回も見せられ続けている背景や、古びた観念と は無縁だから、練られてはいないが新鮮で私たちの心を打つ。
 彼は今年1月、3度目のイラク入りを目指して、アラブに向け出発したが、結 局はシリアのダマスカスに足止めとなり、イラク入りは果たせなかった。
 彼のイラク行きが決まったらさっそく、外務省から「今イラクは危ないから行 くな、日本としては貴方の命の保障は出来ない、行かないでくれ」との電話があ り、また警察公安当局からも「行くな」との警告の連絡があったと言う。
 だが自衛隊がサマワ駐屯地で1日1億円の血税をかけて「引きこもり」、日本 大使館も3メートルの障壁に守られて動こうとせず、NHKなど僅か残された ジャーナリストもホテルに閉じこもって現地人スタッフに頼る状況のもとで、世 界の焦点、矛盾が最大限蓄積されたイラクに行き「本当のイラクを知りたい」、 「真実を知り、人々に伝えたい」と願うのは彼のような、そして「小泉純一郎の 判断」によって殺害された香田青年のように、人間として極当たり前の欲求であ り、行動であろう。
 西谷さんを囲んでのつといで、一番関心を呼んだ事実を報告する。
(米軍の戦死者の真実)
 イラク派遣米軍には米軍の指揮には従い作戦するが、軍隊民営化によって米軍 の籍を持たない元軍人の民間人兵士や、米国籍を持たず市民権獲得の為に従軍し ているヒスパニック系の兵士(そして刑務所虐待事件の加害者となった州兵な ど)が存在する。
 ところが武装抵抗勢力勢との戦闘によって犠牲者となった彼らは、米軍死者と してカウントされず「行方不明者」として処理される。
 ではこれら犠牲者はどうなるのか?米軍は彼らを黒いビニール袋に詰めて無人 の砂漠に投下する。
 西谷さんの映像には、こうして砂漠に遺棄された白人やヒスパニック兵士たち の遺骸が写されていた、イラクの人々やレジスタンスはこの遺体を正式に墓地に 埋葬し、判明の限り不明者リストで公表しているそうだ。
 退廃したキリスト原理主義に汚染されたアメリカより、ムスリムの人々の信仰 がより優しく、そして人間的である。
 米軍兵士の死者は正式発表では1500人となっているが、このようにアメリ カから排除されたカウント外の死者はおそらく数千人にも上るのではないだろう か。
 これらは私達がインターネットで見る事の出来る「イラクレジスタンス情報」 や「アラブの声」などと合致している。
(米軍誤射について)
 この前、拘束されていたイタリアの女性新聞記者が、解放されて空港に向う途 中、車を400発もの銃弾で射撃され、彼女をかばったイタリアの情報部員が死 亡した、現場でアメリカ軍兵士が謝罪したとされているが米軍はまだ事実を認め ていない。
 米軍はこれを戦場での止むおえない事故・誤射で済まそうとしているように見 えるが、場所、スピード、米軍のチェック体制などの事実関係からすると、これ は米軍上部からの指示に基づく「女性記者射殺の戦闘行為」によるの被害と見る のが妥当だろう。
 これ以外に、ブルガリア兵士の射殺事件にも同様の疑いかあり、また日本政府 はいまだ黙殺しているが、日本人外交官2人の射殺事件も、銃弾の発射角などか らして米軍装甲車やタンクからの射撃と見られると言う。

 西谷さんは出来るだけ近いうちに1月に果たせなかったイラク訪問にチャ レンジすると言う。
 米軍のイラク戦争、イラク占領はすでにベトナム戦争並みに泥沼化している。
 アメリカの戦争目的が明らかに石油資源強奪、中東支配であることが明確とな り、日本の自衛隊派兵も「人道支援や復興支援」などではなく、石油資源強奪、 帝国主義国同士の石油争奪戦、おこぼれ争い、利権確立の為でしかない。
 今こそ、自衛隊員に「石油の為に死ぬな」「イラクに行くな、すぐ帰れ」、 「イラクの人々を殺すな、殺されるな」と今一度、イラク開戦3年目に当たる3 月20日に西谷文和さんと共に、大きな声をあげて行きたい。