イラクサマーワの自衛隊は「人道復興支援」のメインだった給水業務がなくなっ
て、何もしないで「基地閉じこもり」が仕事となっている。
これは「小泉行政改革」で最大の無駄な業務、郵政民営化などより、中止すればす
ぐにでも成果の上がるものである。
しかしこの5月、自衛隊第三師団からイラク派兵が予定されている、1日1億円の
血税の無駄が更に続けられるのだ。
今日、ある自衛隊基地で基地創立記念式典が開催された、私たちは会場の横に横断
幕を貼り、自衛隊のイラク派兵反対のビラを撒いた。
その時、場外で見物客の案内を行っていた迷彩服姿の若い自衛隊員と、約20分ば
かり話すことが出来た。
まだ二十歳位の若者は率直だった「実弾を込めて人と対峙するのは怖い」「隊内で
はイラク派兵への動きは少ない、アンケートもされていない、行くのはいやだ」「ア
ンケートで熱望に丸する人がいると云うが、本当は少ないと思う」「勤務が終わって
もイラク派兵など話したことがない、両親ともまだ話していない」などと率直に話し
てくれた。
道路の向こう側にいる先輩格の隊員から、しきりに電話がかかって来たが、彼の率
直さは変わらなかった。
自衛隊員の大半はイラクなどに行きたくはないのだ。
ところがである、開催された記念式典に「イラク人道復興支援活動展開中」の横断
幕があるのは仕方ない、しかしこの町の中心の商店街には「イラクへ派遣される自衛
隊員の皆さんのご無事を祈っています」等の横断幕や垂れ幕が吊るされ、各商店には
黄色い旗が立てられている。
国道や市営の商工プラザ、大手資本のビルにも横断幕がかけられているのだ。
まだイラクに派兵もされていないし、またこの隊員のように「イラクなど全く関係
ない」としか意識していない隊員がいるのに、自衛隊のイラク派兵が既成事実化され、
町を支配しているのである。
これはまるで「俺たちが棺おけを作ってやるから、お前はイラクに行って死んで来
い」というのと同じだ。
町が資本が自衛隊員にイラク行きを勧めているのだ、これが「草の根ファシズム」
といわずしてなんと言うべきなのか。
この動きは、かつて戦地に送り込まれる出征兵士を送った、「日の丸」と「旭日旗」
と同じではないのか?
商店街が若者に「命を投げ出せ」と命令しているのである。
オランダ軍が撤退する時、サマーワの自衛隊司令官は自衛隊は「これまでもオラン
ダ軍に守られてはいなかった、(英軍や豪軍に代わっても)これからも守られない」
と言い切った。
これから自衛隊は治安活動、イラクの武装抵抗勢力との真正面からの対峙を行うと
言ったのだ。
私は草の根ファシズムの跋扈を決して許さず、今後も粘り強く自衛隊員に呼びかけ
を行おうと決意を固めた。