日本政府は5月14日、これまでイスラエルを国家として承認して来なかった、インドネシア、パキスタン、マレーシア、バングラディシュなどアジアのイスラム国家7ヶ国に、「アジアの日本だからできる独自の貢献策」としてこれら諸国に、イスラエルの国家承認を求める工作を開始したという。
これは国連安保理常任理事国入り策動と、機を一にしたカネに任せた工作であると同時に、アメリカの中東支配を手本にした、イスラム・アラブ・中東地区への帝国主義的介入であり、石油利権の確保策である。
そして同時期に、「自衛隊の年内撤退計画」と引き換えに発表した、イラク・サマーワへの「火力発電所建設計画」とも関連している。
しかし、これらには日本政府のあからさまな意図が、隠し様もなく見え隠れしている。
イスラエル承認工作は「新中東和平案ロードマップの実現のため」と言うが、パレスチナの現状をそのままにしてなにが平和なのか、それはアラフアト亡きパレスチナの弱体化を見越した、パレスチナのイスラエル一国支配への道である、ハマスを中心としたパレスチナ民衆の怒りと、失笑をより一層買うだけである。
サマーワへの火力発電所建設とは、いよいよもって三菱や日立など日本資本のイラク進出の本格化である、日本資本の利権が拡大すければ、自衛隊のイラク駐留の価値はますます高まる、年内撤退などあろう筈がない。
斉藤さんの拘束問題、サマーワ周辺へのロケット攻撃は、自衛隊の派兵継続への警告であった。
しかし派兵された自衛隊の指揮官は、相変わらず無理やりヒゲを生やし、イラクの人々の復興に協力したいなどと抱負を述べた。
「イラクの人々の真似をすれば何でも上手くゆく」などの、しようもない固定観念が、どれ程にイラクの人々を傷つけ、プライドを損ねているのか、全く理解出来ない腐りきった感性は、余りにも馬鹿馬鹿しくて笑うしかない。
今回の日本政府の中東外交政策の貧困さと、自衛隊のイラク派兵は、この国のどうしようもない腐敗の産物である、私たちはそろそろ強力な、引導を渡さなければならない。