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「イラク戦争」討論欄

今イラクはどこに行ったの?、自衛隊御用記事とマスメディア

2005/07/02 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 イラク戦争に関するマスメディアの報道が、時が経つほどに次第に減少している。
 それはまるで、イラク現地の戦闘がますます激しくなり、イラクの人々や武装勢力、そして米軍やイラク傀儡軍の犠牲の増大に反比例すかのようだ。
 「朝日新聞」はカイロ駐在記者の記事、共同通信も欧米メディアの発信分に限られている。
 これら記事はほぼ完全に情報コントロールされ、限定されたものだ、私たちは今やかつての「大本営発表」的記事に満足させられているのだろう。
 ところがである、このところ朝日新聞が夕刊で、イラク派兵自衛隊の隊員の名前まで入ったイラク・サマーワ駐屯地情報を連載している。
 地元の有力者との会合の様子、若い隊員の隊内での活躍の様子など「人道支援援助はうまく行っています」「こんなに元気に頑張っています」家族対策見え見えの記事だ。
 またこの前、派兵された第3師団の地元ローカル紙も、わざわざ「報告・陸自第3師団」と取材元を明確にして、若い隊員の写真入りで「復興支援に誇らしさ」などを表題にした自衛隊御用記事を臆面もなく連載している。
 しかし、自分の夫や兄弟がイラクに派兵されている隊員の家族にとって、当の本人はまだしも、こんな記事が安らぎとなるのだろうか、これで安心感が深まると言うのだろうか。

 この前、私たち市民運動のグループが、「自衛隊はイラクから直ちに撤退せよ」との、通算すれば百回を越える申入れを行った時の事である。
 いつも門で直立不動の姿勢で立っている若い警備の隊員が、突然バタリと仰向けに倒れてしまった、暫くして回復したようだが、私たちは後で「暑いせいもあるが、知らないイラクの情報を聞かされてビックリしたのではないか」等と話し合った。 私たちの申入れは、申し入れ書の大半を割いて、「マスメディアには載らないイラク情報」を自衛隊の隊員にしっかり伝える役割も、果たしている。
 今の自衛隊はまだ軍隊ではない、憲法に保障された思想信条の自由もあれば表現の自由、イラク派兵を拒否する自由もある。 私たちは自衛隊員を獲得対象と考えている、彼らの悩みを聞き、相談にのる事も対自衛隊対策のひとつである。 「戦場としてのイラク」の実情を、今後も可能な限り若い隊員に伝えて行きたいと思っている。