もちろん、日本のどのメデァアにも、日本のどの国民にも、英国にもない。た
とい、自らが、自らの子や妻が、身内が犠牲にあったとしても、それは、不運という
ことでしかない。自らの怠惰や無知・愚鈍が支える政権がイラクでなした蛮行のツケ
であるのだから。
この日本にも、もし、テロが起こったなら、先のオームのテロ事件を批判するほど
にも、私は、批判できない。もし、子どもが、私が巻き込まれたとしても。
もちろん、パニックになり、号泣するだろうけれど、芯は、覚悟していたい。
さて、次の人々には、今回のテロに言及する資格があるといえるだろう。
現地イラクで命をかけて闘っているレジスタンスたちである。
たとえば「小罪の一般市民でなく、どうして、大罪の親玉のブッシュ、ブレア、小
泉を狙わなかったのか」と。
「尊い命を自爆するのではなく、こんなことしても聞く耳持たぬ愚か者のために一
つの命を無駄にするな。英国にいるという身なら、我々戦地にいるものよりも、別の
方法があるだろう。たとえば、報道規制が敷かれて、ますます、ばかになっている英
国民の目を覚まさせるように、イラクレジスタンスレポートを英訳して、全てに配れ」
と。
私はビンラーディンの著書を読んでみたが、どうにも、今回のテロ行為はしっくり
こない。過去、パレスチナのヤシン師をはじめ、ハマスの幹部たちが何百人も殺され
ており、身の毛のよだつイラク戦地での米英軍の蛮行を知るものにとっては、あまり
に可愛い犯行である。
ビンラーディンの定義を紹介する。
ーー我々は男、女、子供、老人を区別する。男は戦士であり、彼が武器をもっていよ
うと、税金を払ったり情報を収集したりして我々を殺すのに協力しようと、同じこと
である。彼は戦死である。ウサーマは民間人を殺すと脅かしているというが、では彼
等がパレスチナで殺しているのは何だというのか? 彼らは民間人はおろか、子供す
ら殺している。米国はメディア操作に長けており、必要に応じて「人々の価値」の基
準を変えられる巨大なの力を持っている。すべての米国人の男は我々の敵である。彼
が直接我々と戦っていようと、税金を払っていようと同じことだ。米国人のほぼ4分
の3がクリントンのイラク空爆を支持しているというのを最近あなたも聞いただろう。
彼らは大統領が無実の民を殺すと株を上げ、大統領が淫蕩と大罪を犯すともっと支持
する。価値ということの意味が決して分からない下劣な連中なのだ。
「ウサ-マビンラーディン その思想と半生」より
米国が英国に、そして、日本に切りかわるのは自然なことである。
「ムスリムの心は米国と米大統領に対する嫌悪で満ちている。大統領に言葉は通じ
ない。何百人もの子供を殺す心に言葉が通じるわけがない。彼には言葉が通じないか
ら、アラビア半島の人民は彼に無言のメッセージを送るであろう。もし私があなたを
通して送るメッセージがあるとしたら、それは米兵の母親に宛てたメッセージである
。・・・これらの母親たちに言うが、もし、自分たちの息子が心配なのであれば、米
政府の政策と米大統領に反対せよ。大統領が殺された兵士の遺体の前に立ち、サウジ
の自由の戦士をテロリストと言ったとしても、騙されてはいけない。息子たちをイス
ラエルの利益のためにそんな目に遭わせたテロリストは彼なのだ。」
「ウサーマビンラーディン その思想と半生」成甲書房より
根源をみない議論は、むなしい。
さざ波だけならまだしも、公開された日刊紙が、日々、歪曲や捏造を繰り返し、挙
句の果て、公教育にまで歪曲教科書を導入するまでになった戦時に、私はつぶされよ
うとしている。
腐りはてたゆで蛙たちに、アレルギーをもよおすようになったのである。