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「イラク戦争」討論欄

イラク新憲法草案合意不成立の後に何が来るのか

2005/08/30 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 難航に難航を重ね3回も合意延期となった「イラク新憲法草案」は、とうとうスンニ派の合意が取れないまま全容が発表された。
 今年の10月に国民投票が行われるが、全18州のうち3州で3分の2の反対があれば成立しないという厳しい条件があり、そのクリアーは難しいというしかない。
 一方武装勢力による抵抗の闘いはより激しくなり、治安の安定など程遠いのも現状だろう。 この情勢にブッシュは焦りを隠せず、ブレアも2度のイスラム勢力と思われる爆弾攻撃によって、イギリス軍のイラク撤兵も噂されるようになった。
 この為アメリカの軍高官が、年末までの米軍16万への増派(実際は大半が派兵期間の延長)と、向こう4年間もの米軍イラク駐留占領継続を言明するに至っている。
 アメリカでは息子を派兵によった失った、母親の怒りのハンガーストライキが続けられ、いつもは民衆に手を振るのが得意なブッシュの車列も、その場を通りすぎてしまったと言う。
 然るに小泉純一郎は総選挙にかまけて自衛隊イラク派兵について何ら手を打っていない、既に九州地区からの第7次派兵が行われた。
 しかも小泉は12月の派兵期間切れにどう対処するのか、全く明らかにしていない、選挙に負けたらそれまでかも知れないし、否アメリカに追従して後4年間延長に応じる可能もある。
 迷惑をかぶるのは自衛隊によって期待を完全に裏切られたイラクサマーワの人々であり、派兵される銃すら満足に撃てない自衛隊員であり、3ヶ月間無事を祈り続ける家族である。

 さて今、「イラク新憲法草案」を検討しているイラク傀儡政権や各部族の大半は、フセイン時代に国外逃亡し、アメリカやイランなどの庇護の下にあった連中で、アメリカの占領によって連れてこられた利益集団である。
 彼らにとってアメリカの軍事力は絶対であり、アメリカなど占領軍なしではイラクでは生きてはいけない。
 新憲法草案がまとめられないのは、本質的にはスンニ派の抵抗ではなくて、武装勢力による攻撃と治安の不安定、そしてアメリカ軍の動揺そのものなのだ。
 自衛隊の年内撤退は絶望的といえる、そしてこのところ活発化してきたサマーワ現地のサドル派の自衛隊駐屯地駐屯のへの本格的攻撃も開始される。
 自衛隊イラク派兵問題でも、小泉純一郎が問われる時が到来しているのだ。