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「イラク戦争」討論欄

右翼評論家の厚顔無恥

2005/11/18 風来坊 50代 自営業

 右翼評論家として有名な俵孝太郎氏のアメリカのイラク侵略直前からの日刊ゲンダイの俵孝太郎の辻斬り説法のイラク問題を抜き書きしてみた。

2003年3月21日イラクが大量破壊兵器を使うかどうかで双方の正邪が決まる
 米英軍によるイラク攻撃がいよいよ始まる。いまさら国連新決議がない開戦はけしからんとか、あくまで平和を守るべきだとか言っても意味がない。
 戦争に反対した仏ロ独中を褒めるのは、もっと意味がない。この戦争の当否、正邪を決めるポイントは単純かつ明快だ。
 戦争に際してイラクが大量破壊兵器をいっさい使わず、米英軍がイラク領内で最終的に大量破壊兵器を発見できなかったら、たとえ戦闘の結果はどうなろうと米英の負けだ。ブッシュ大統領は国際的な非難にさらされ、米英の国際的な指導力は地に落ちる。逆に、イラクが米英軍に対して長距離ミサイルをぶっ放したり、米英軍が砂漠に埋まった生物化学兵器を見つけたりしたら、仏ロ独中、そして世界中の「平和屋」目は節穴か、ということになる。彼らは今後何を言っても信用されなくなる。
 国連旧決議は、イラクが大量破壊兵器を持つことを禁じてきた。イラクはそんなものは全く持っていないと主張してきた。危急存亡のふちに立っても大量破壊兵器をいっさい使わなければ、イラクの潔白は一応証明される。米英がいくら探してもなにも発見できなければ、イラクの無実は完璧になる。そうなるかならないか、だ。略
 当時、アメリカのこの侵略を支持してきた多くの右翼的ジャ-ナリズム、評論家が同じ主張をしてきた。そして、その誰一人として、この結果に対して、答えた者はいない。
2003年4月18日文明遺産を略奪する国民に援助する必要があるか
2003年4月11日イラクの戦後処理、官僚主義と腐敗の国連にできるのか
 イラクの戦後処理をめぐって、米英主導でいくべきか、国連中心で進めるべきかが、論議の的になっている。
 この問題はアメリカが主張するように戦場で血を流した米英が主導するのが当然だ。日本政府やマスコミは一足飛びにイラクの戦後復興というが、その前にフセイン独裁から脱した敗戦イラクの戦後秩序の確立という課題がある。開戦に反対し、砲弾飛び交うとき遠く離れた安全地帯で小田原評定をしていた仏独ロ中や国連が卑怯未練にもいまごろになってしゃしゃり出てきても、断固たる力の背景もないのに秩序が確立できるわけがない。以下略

 いつの間にか、大量破壊兵器を使うかどうかで双方の正邪が決まると言っていたのを忘れているようである。他の似た様な主張をしていた、評論家やジャ-ナリスト達もこの問題に対しては口をつぐんだままである。自分たちの主張の誤りを認めた話を聞いたことがない。まだ大量破壊兵器とやらがそのうちに発見されると確信しているのだろうか。それともアメリカや政府は正しい文句を言わずにそれに従えというのだろうか。このままでは戦前と同じ道を辿るだけである。以下標題と掲載日だけを記載する。
 内容に興味がある方は、http://genndai.net/contents.asp?c=023&id=137を参照してください。右翼的内容は俵孝太郎氏のみで、他の主張はかなり共感できる記事が多い。
2003年9月19日身内が狙われた途端テロ非難を始めた外務省の国民蔑視
2003年12月5日外交官2人は「イラクは安全」の空論に殺されたようなもの
2003年12月19日フセインをどう裁くかがイラク復興の重大なカギ
 前略標題だけのつもりだったが、この後の文書は共感できるので、書いておきたい。(近隣諸国に対して行ってきた侵略行為は断じて許すことができるものではないが、それとは別に敗戦するような戦争をおこなったか、敗戦になるようにした責任は別途に追求されるべきだと思う。そうすれば安部のような輩が大きな顔をしていられなかったと思うから)
 裁判に軍閥の被害者である国民の代表が加わるか、それができなくても、講和・独立回復ののとき、国会で開戦に至る軍閥の横暴と戦時下のとりわけ近衛・東条両内閣の暴政に対象に、徹底的な事実の解明と、首謀者・推進者・協力者の責任追求が行われていたら、国民の政治意識も、戦後政治の姿も変わっていたに違いない。戦後復興とは、治安の回復や再建だけではない。一国のあり方を変える以上、他にも大きな課題がある。
2003年12月26日滞在3時間で「イラクは安全」と語る神崎代表の信心深さ
2004年自衛隊成否のカギ 米軍が統治に失敗した理由
2004年7月2日なぜ現地入りしない!わがイラク大使の任務放棄
 以上何回も俵孝太郎氏はイラク問題でこの辻斬り説法の中で書いている。ところがイラクの大量破壊兵器に関しては、2003年3月21日以来二度と触れていないのである。
 悪政を暴き、批判するのがマスコミの役割であり、責務のはずだ。それを放棄したときから堕落が始まり、国民を裏切り、権力の走狗のなる。「今は戦中のような規制もないはずなのに、大マスコミは右へならへで政権寄りの報道をしている、「政府広報」に成り下がってしまったマスコミの腐敗堕落ぶりは、救いようがありません。このまま放っておいたら、庶民は小泉自民党に殺される。(日刊ゲンダイ2005年11月17日)