パレスチナ総選挙で大半の予想を覆し「過激派」組織ハマスが過半数を大幅に上回り勝利した。
アメリカ・ブッシュや小泉は額にしわ寄せて「和平が終りだ」と悲観ぶって見せる。
しかしこれはパレスチナの人々の「絶望から来る選択」ではなく、希望の選択だったと思う。
人々は腐敗し官僚化し、アメリカとイスラエルに服従してきたファタハに最後通牒を突きつけ、新たな道に踏み出したのだ。
ハマスはレバノンの「ヒスボラ」と同じく、過激派組織と言うより困難に瀕した人々の救済を主に行ってきた組織だ。
活動の中で状況の酷さ、厳しさにあえて武器をとってきた、かつてのパレスチナ武装勢力とは一味違い、人々の根強い支持が基盤としてある。
イスラエルはさっそく対抗的な強行措置に出るだろう、アメリカも「中東失陥の恐怖」に怯え、軍事的措置を取るかもしれない。
中東そしてそこに住む人々にとって、アメリカとイスラエルは一体のものとしてある。
イスラエルの影にはアメリカが見えるし、アメリカの後ろにはイスラエルがいる。
パレスチナ全土はもとより、そこに住んできたアラブパレスチナの人々のものだ、そこにナチスの亡霊とユダヤ人差別の贖罪から欧米列強が無理やりユダヤ人を送り込み、パレスチナの土地を奪い「イスラエル国家」を建設した。
やがてそれは「中東の石油資源争奪」の拠点として、アメリカの中東支配の要となる。
しかしこれらはパレスチナの民には何ら関係ないことだ。
ハマスはその柔軟な戦略と、人々の絶大な支持によって、これまでの「形式的妥協的平和路線」とは違う効果を生み出すだろう。
そしてそれは「ベトナム」以上に泥沼化したイラク侵略戦争にも劇的変化をもたらす事になるだろう。
パレスチナの豊穣な大地は、誰のものでもない、やはりパレスチナの人々の物なのだ、これを変更することは、たとえアメリカのハイテク兵器でも、イスラエルの「核」でも不可能なのだ。