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「イラク戦争」討論欄

アメリカはイラクから手を引け

2006/03/23 風来坊 50代 自営業

 法政大学教授の五十嵐仁氏の転成仁語に、アメリカは、イラクから手を引け !
という論文が載っていました。かなり共感できるのでそのまま転載します。

 3月20日は、米英軍による攻撃でイラク戦争が始まってから、3年目に当たります。この3年間にイラクで犠牲になった米兵は、2314に上るそうです。
 かつて、5万8000人の前途有為な若者をベトナムで殺したアメリカは、今また、2300人の若者をイラクで殺してしまいました。彼らは"何のために"死んだのでしょうか。
 米英の非政府組織であるイラク・ドディーカウントによると、戦闘などで巻き添えになった、イラク市民の犠牲者は3万3679人から3万7795人と推計されています。「イラク戦争」での犠牲者は、米兵とイラク市民の双方あわせて約4万人になります。
 もし、ブッシュ米大統領が侵略戦争を始めなければ、死なずに済んだ人々が、これだけいたということです。4万人もの人が、ブッシュ大統領によって殺されたのです。
 いや、実際に死なずに済んだ人の数はもっと多いでしょう。イラク戦争に誘発されてテロは世界各地に広がり、マドリードやジャカルタ、エジプトやロンドンなどで、多くの人が死傷しているのですから・・・・。
 イラク戦争が始まるとき、多くの人々は、この戦争を支持しました。日本でも、小泉首相が直ちに支持を表明し、それをまた、国民の多くが認めました。
 これらの人々は、イラク政府が大量破壊兵器を開発しているという、ブッシュ大統領の嘘を、信じたのかもしれません。それを信じなくても、フセイン政権の独裁からイラクの人々を救うことになると、考えた人もいたでしょう。
 イラクが民主化されれば、人々が幸福になり、テロの危険性は減少して、世界は安全になると信じた人たちも、いたに違いありません。イラクの民主化と世界平和のためには、多少の犠牲はやむを得ないと、割り切って考えた人もいたでしょう。
 しかし、現実はどうだったでしょうか。大量破壊兵器に関する情報は「ガセネタ」であり、この戦争で4万人もの人が亡くなり、イラクは今や「内戦状態」担っています。アラウィ前イラク暫定政府首相は、19日放送の英BBCテレビで「現状が内戦でないと言うなら、何が内戦なのか、神に伺いたいものだ」と述べています。(「朝日新聞」3月20日付夕刊)
 3万人以上のイラク人が犠牲となって、生み出されたものは、イラクの安定と平和ではなく、分断と混乱でした。イラクで死んだ2300人の米兵は、このような国にするために、命を投げ出したのでしょうか。「イラク戦争」で命を失った約4万人もの犠牲者たちは、このような現状を見て、草葉の陰で泣いていることでしょう。
 もはや、虚構にすがってはなりません。嘘や願望に惑わされるのではなく、現実を直視するべきです。
 米軍をはじめ、各国の軍隊は、直ちにイラクから撤退しなければなりません。イラクのことは、イラクの人々自身に任せれば良いんです。
 「いや、撤退したら、大混乱に陥るだろう」と言う人がいます。そのような人には、こう答えましょう。「すでに、大混乱に陥っているではないか」と。
 「これ以上の米軍の関与は、この混乱を拡大するだけではないのか」と。
 かつて、ベトナム戦争が泥沼に陥ったとき、同じように早期撤退論への反対意見が出されました。しかし、結局、米軍はベトナムから追い出されることになります。
 その後、ベトナムはどうなったでしょうか。さらなる大混乱に見舞われたでしょうか。
 アメリカは、歴史の教訓を、しっかりと学ぶべきです。私たちもまた、歴史から学んで、過ちを繰り返さないようにしなければなりません。かつて、「アメリカはベトナムから手を引け ! 」と叫んだと同様に、今もまた、大きな声で叫ぶ必要があるでしょう。「アメリカは、イラクから手を引け ! 」と・・・・。
 それにしても、ブッシュ米大統領の「ガセネタ」を信じて、日本を戦争に引きずり込んだ、小泉首相の責任はどうなるのでしょうか。懲罰委員会にかけられ、新聞に「謝罪広告」を出すべきではないでしょうか。

 私はアメリカのやっている事こそ国家テロであり、各地で行なわれているのはレジストではないかと思っています。