アメリカが「イランよ戦争だぞ」の連発をやっている。凄まじい勢いである。
まず2月3日の新聞で、アメリカ上院特別情報委員会の公聴会でネグロポンテ国家
情報長官がイラン情勢に関ってこう説明したと言う。
「イランがイラクのイスラム教シーア派政治団体を指導して、同派の民 兵組織に武器を提供し訓練を行い、駐留米軍などの攻撃を可能にしている」
これについてアメリカがイランにどう抗議し、止めさせるどんな努力をしてい
るかは知らないが、なんでこんなことを議会に大々的にアナウンスするんだ?!
こんなことを考え込んでいた2月8日水曜日の夕刊を開けたら、今度はこんな見出
しが目に飛び込んで来てショックを受けた。
「米世論『イランが最大の脅威』27%」
4ヶ月前の調査では、イラク、中国、北朝鮮、イランの順だった「脅威」が、
イランのポイントが3倍にふえた末の現在、イラン、中国、イラク、北朝鮮になった
と言う。
「イランが核兵器を開発したら、欧米を攻撃する可能性があると思う」を肯定した
人が66%とも述べてあった。この数字本当なんだろうか? ハリケーン対策と、そ
れよりも大きいイラク戦争米軍駐留経費で財政赤字が過去最大になって、アメリカも
必死なんだろう。ただし、後者は自業自得というしかない。
次は3月2日の毎日新聞に、アメリカ・イラン関係の「痛ましいような」投稿が載っ
た。アメリカのワシントン・ポスト紙コラムニスト、有名なリチャード・コーエンと
やらが「世界の目」欄に、こんな表現を含んだ投書を送ってきたのだ。
「ブッシュ政権は(イラク戦争の失敗に)懲りたのか、イランに関する最近の表現
は穏やかだ。1月の一般教書演説でも、ブッシュ大統領はイランに言及こそしたが
『核兵器保有を許してはいけない』と言うだけで『悪人』扱いはしなかった。戦争が
選択肢の一つであることを理解していたはずなのに、その道を封じてしまった」。
「言えることは、軍事的な選択肢を除外するのは間違いであるということだ」。
今のところ「核の平和利用」を要求しているだけのイランに、よくここまでの「戦
争の勧め」をやるものだ。しかも、以下のようなことまでをイランの罪として。
いわく「すでに核を保有するとされるイスラエルは先制攻撃をしかけようとするか
もしれない」。
これが正常な頭脳の文章だろうか。なにゆえイランにここまで戦争をけしかけるん
だ?
「核の平和利用は核兵器開発目的のカムフラージュ」という表向きとは全く別の理
由があるとしか思えない。イランよりも核兵器保有の可能性がはるかに高く、偽ドル
作りの罪まである北朝鮮にさえ、ここまでのことは言っていないのだから(初めて知っ
たが、他国の偽札作りって、その国に戦争をしかけるのと同様の行為というのが国際
的確認事項だということだ)。
今アメリカのある部分が何か異常な状態にあるとしか思えない。もしくは深刻さを
通り越した難問を抱えていて、それがイラン、中東に関わっている?石油だろう。
「近く超インフレは必至だ。自ら招いたこの罪には、何か『現物』を持つしか対策
はない。紙にしか過ぎなくなるかも知れないドルのかわりに石油を持ってリスクマネ
イジメントとしておこう」。
こんなことかなとか、ない頭で色々考えてみる。ところで、イラン戦争が起こった
ら、日本は真っ先に自衛隊派遣だろう。しかもイラクよりもはるかに大規模、かつ能
動的に。
日本の石油輸入量の15%がイランからで、これは多い順で第3位、しかも中東最
大級の新油田開発契約までがイラン・日本間で結ばれている。
憲法改悪がまたまた声高に叫ばれるようになるだろう。他国への『干渉』・戦争と、
テロとの悪循環。干渉止めれば、テロなんかなくなるんだよ、ほんとにもー。利権絡
みで干渉してるんだろうが!、ほんとにもー。
こんな干渉するよりアメリカは自国の貧困を何とかしたらどーなんだ、全く。OE
CD諸国でメキシコに次いで貧困率(所得が、全国民中央値の半分以下の人の率)が
世界で2番目なんだし、高校卒業率が白人4人中3人なのに、黒人やヒスパニックは
4人中2人なんだそうだし。黒人、ヒスパニックは2人に1人が中学卒?(この事実
はアメリカに憧れる日本の若者には是非知らせる価値があると思う)また例え高校へ
入れても、白人との棲み分けが急復活している貧困地帯の高校では「大学進学2割で、
高卒の就職口も少なくて3~4割は軍に入隊」とか(毎日新聞、連載「人種の壁は崩
せるのか5」より)。
なんか酷い国だ。戦争してる余裕があるんかね、将来なくなるぞ?!