3月27日に米の「イランよ戦争だぞの連発」に関わるいくつかの記事を紹介した。何故なのかと考えていた。その重大原因らしきものが本日の夕刊に載っている。なるほどなと考え込んでいる。
改めて「米のイラン戦争反対」、「米はイラン石油政策に口を挟むな」と、叫びたい。
17日毎日新聞夕刊はこう伝えている。見出しは「イランが石油取引所」、副題「ユーロ建てで米に挑戦か」となっている。毎日新聞の記事取材相手はイラン石油取引所開設計画の最高責任者・アゼンブール元石油省次官であって、記事の信頼性は極めて高い。
便宜上アゼンブール氏の言葉の中に記事の解説も入れて要約すれば、こんな内容になろう。
「イランは00年から05年までの第3次開発計画で石油取引所開設計画を打ち出してきた。それによると本年3月までに開設するはずだった。ニューヨーク、ロンドンの世界2大石油取引所はドル建てだし、イランの現在の石油取引も総てドル建てであるが(石油輸出国機構の輸出は総てドル建てであるーー筆者)、この取引所通貨は取引当事者次第、いかなる通貨も強制しない。隣国イラクのフセイン政権が00年11月に石油取引をドルからユーロ建てに換え、03年イラク戦争後はドル建てに戻されたという経緯があるが、イラクは現在こういう方向を一部修正して進行中である。第1に、3月開設予定を年内開設に変え、第2に国営予定から民営予定に変える。」
1999年に導入され、2002年にEU各国通貨と取って代わったユーロが世界に広がっている。現在もその値上がりは凄い。石油は現在、産油国機構輸出のすべてがドル建てになっているなど、ドル建て「慣習」が圧倒的だ。これがイラクで換わったら。イランでも換わったら。双子の赤字を放置してきながら永年「世界通貨信用」というだけで垂れ流したドルは暴落していく可能性が強い。かといってこれで戦争を起こすなどと言えたものではない。かくして他ごとをあげつらってイラクにもイランにヤクザ屋さんがやるように、嫌がらせをした。従わなかったイラクは潰された。さてイランは。事実はこんなことなのではないか。
さて、これを見抜き、アメリカの横暴を許せないというしたたかなイラン。取引所を民営にすれば文句はあるまいとして、取引所開設を1年弱送らせてちょっと様子を見ている。こんな現状なのではあるまいか。
アメリカってヤクザみたいなものだな。