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「イラク戦争」討論欄

イラクを第二のユーゴにするな、アメリカ軍は直ちに撤退 しろ。

2006/05/27 寄らば大樹の陰 60代以上 苦闘するフリーター

 このたびの「連邦か独立か」をめぐるモンテネグロの国 民投票の結果、独立派が勝利し、コソボの分離も促進され、チ トーによって統合されてきたユーゴスラビア連邦はほぼ完全に 解体する見込みと報道されている。
 かつて統一されたユーゴスラビアは、ソ連のスターリン独裁 に従わず独自路線を追求し、その共同組合的な労働者自主生産 指向を明確にして、全世界の人々に未来社会への希望を抱かせ る国だった。
 しかしチトーの死後、この国は各民族・各宗教が独立志向に 走り、セルビアを悪者に仕立てて「民族浄化」なる不毛の構造 のもと、同じスラブ系でありながら、クロアチア、スロベニア 、ボスニア・ヘルツゴビナ、セルビアモンテネグロ、マケドニ ア、そしてコソボ、また隣国アルバニア系と分裂してしまった 。
 文字通り「世界の発火点」といわれた「バルカン」に逆戻り したのだ、それは欧米で進むEU化とは別の方向に突っ走って いるのである。
 そしてコソボなど紛争地には依然としてドイツ軍などNAT O軍が駐留し、独立どころか半分占領状態となっているのが現 実だ。
 そしてごく一部の国を除き、分裂時各々の人々が願った経済 的復興も国内の安定も得られず、分裂時の民族浄化的な愚考が より定着してしまったのである。

 さて、アメリカの占領下のイラクにやっと国防省、内務省と いう政府の中核部分が未定という、ゆがんだ正当政府が成立し た。
 形だけのアメリカ傀儡政権、机の下ではそれぞれが脚でどつ きあっている政権である。
 そして正式政府の成立によって、より各民族、各宗派、そし て軍団の対立が深まっているという。
 アメリカの侵略占領によって解体・傀儡化したアフガンの矛 盾もより深化している。
 これらはほとんどユーゴスラビアの解体とよく似たものだ。
 アメリカの武力による「民主化」が、サダムフセイン統治下 の世俗的支配よりはるかに低レベルで人々を破壊に導くもので あることが、証明されつつあるのだ。
 全世界でイラクからの撤退の行動が継続的に闘われている、 私たちもイラクからのアメリカ軍の全面撤退と、自衛隊の即時 撤退を、より一層求めて行こう。