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「共産党の理論・政策・歴史」討論欄

日本共産党に求む-古在由重復権の自己批判を

2002/1/24 桜坂 智史、50代

 日本共産党の退潮が報ぜられて久しい。次々に戦前の形態とは異なる国家主義と管理主義の融合した体制が着々と固められている。 日本軍国主義に最も歴史的に長く、最も一貫して闘った日本共産党が、今の情勢を打破する上で1980年代に共産党中央によって除籍処分を受けた古在由重氏の事態は大きな問題となっている。
 政治を動かすうえでも国民の動向を大きく左右する要因のひとつに知識人の問題がある。無党派で進歩的な大学研究者やインテリたちにとり、アカデミズムの世界の学者たちからも一目置かれていた哲学者古在由重氏の影響力は大きかった。加藤周一、丸山真男などの知識人にもそうだった。そして、原水禁統一運動において日本共産党が統一派の吉田嘉清氏を処分し、古在氏を除籍したけれども、その後の運動は全く盛んにはならなかった。それどころか川上徹氏や有田芳生氏などへの対応も含めて多くの国民の人心を共産党から離反させる結果となった。実践面での次元でも哲学でも、なんら得るところはなかったと私は感ずる。今、古在由重氏の政治的復権を認め、自己批判することこそ、民主党の葉山峻氏はじめ多くの良識派政治家も共産党の意義を再認識しうるだろう。