これ以上、共産党に護憲の党や平和の党の看板を背負わせるのは、酷な気がします。
共産党という組織自体が、反戦や平和を実現する為にできた組織では無いからです。
共産党が誕生した頃は、まだ民主国家と言う物が、ほとんど存在していませんでした。
富や生産手段などが、一部の特権階級が、独占していた時代なので、これらの財産を共有するべき、という共産党の政策は、意味がありました。
しかし現在は、世界中の国が民主国家へと移行しているので、共産党の政策は、意味がなくなりつつあります。
民主体制では、私有財産が保証されているので、共産主義はかえって疎まれてしまうのです。
共産主義は、独裁体制下では追い風でも、民主体制では逆に向かい風になってしまうのです。
日本共産党は、戦後大きく方針転換をしなければならなかったのです。
戦後日本は、軍国主義への反省から、不戦・平和を国策として歩んできました。
社会党や共産党だけではなく、自民党を中心とする保守勢力でもそれは、同じ事です。
敗戦直後は、軍国主義への反省もあり、革新勢力もある程度の勢力を保っていられました。
それでも戦後55年以上経ち、もはや反戦・平和だけでは、立ち行かなくなって来ています。
ソ連は解体し大統領を選挙で選ぶようになり、中国は市場原理を取り入れて、新しい体制へ踏み出しています。
社会党や共産党は、自民党の政策に反対するだけの勢力となってしまい、支持を失って行きました。
これ以上現行の方針で行けば、待っているのは、泡沫政党への転落、そして消滅です。
思想団体としては、生き残れるかも知れませんが、そのような事を望んではいないでしょう。
新社会党は、国会では議席を失い、社民党は少数勢力へと転落しました。
共産党が同じ運命を辿るのは、時間の問題でしょう。
国民は、保守化した訳ではありません。
ただ世の中が豊かになり、革新陣営の思想を必要としなくなってしまったのです。
革新陣営だけが時代に取り残されてしまい、気が付いたら世論との間に、大きな隔たりが、出来てしまったのです。
時代は、常に動いています。
共産党は、状況を良く把握して、その時代にあった政策を採用して行くしか、生き残る道は、ありません。
変化を拒めば、恐竜のように滅びの道を歩む事になります。
共産主義が負けたという事ではなく、今はそのような時代ではないと言う事です。