原さん、わざわざレスしていただきありがとうございました。今回は「です・ま
す調」で投稿させていただきます。
さて私の場合、若い時期に政治やイデオロギー、哲学などという分野にまったく遠
い場所にいて、マーケティングとか金融論とか財務諸表論などを勉強していました。
それが好い面もあるのですが、どちらかと言うと実務的な面に目が行き過ぎる部分も
あるようです。たとえば、共産党の運動を見ていると「コストパフォーマンス」とい
う部分がまったく考慮されていない、有権者意識へのマーケティング調査などまった
く無視されているなど、非常に気になります。
もちろん、有権者に迎合するだけなら「大衆迎合」に堕落するわけですが、かつて
ナチス党がドイツ国民の心理を巧みに掴みながら政権を獲得した例、現在のブッシュ
政権への米国労働階級の強い支持(在米の友人から最近いろいろ聞いています)など
を考えると、議会政治には「大衆心理」は避けて通れない一面があることも事実です。
議会の外で「大衆運動」といっても、今の共産・社民などに新たな運動を組織する能
力のある、柔らかいアタマを持った人材がいるとは思えません。
そのようなことで、結論から言うと、私の感想としては、今のサヨクの方には実務
能力がなさ過ぎる、そんな気がします。また理論面でも保守派(新自由主義勢力)に
対抗できないレベル(自分では対抗しているつもりでしょうが)なのが明白で、結局、
現場を知らずに「平和」とか「民主主義」というような抽象的な議論(一種の神学論)
にはまっているだけでしょう。
かく言う私も、理論面で勉強したいと考え、特に「戦略論」を勉強したいと思い、
「孫子」や、ボーグエンザップ「人民の戦争・人民の軍隊」、ゲバラ「ゲリラ戦争」
やスメドレー「偉大なる道」を買い込み、少しづつ読んでいます。共産党の方はあま
り読まない「禁書」ばかりですが、面白そうです。
とにかく今、中内ダイエーの崩壊もあって、経営者レベルでの「カリスマ」もどん
どん減っています。自民党の政治家も二世や三世の小粒な坊ちゃんばかりになり、共
産党指導部は「受験秀才」ですから、ひょっとすると一番能力のある指導部を持って
いるのは公明・創価集団かもしれません。まず組織のマネジメント能力という点では、
共産党受験秀才指導部など足元にも及ばないのではないでしょうか?
話題は変わりますが、最近「カールマルクスの生涯」(朝日新聞社)という本を古本
屋で見つけました。まだ最初の部分をちらっと読んだだけですが、意外なことが書い
てありました。米国のビジネスエリートにマルクスが高く評価されているというので
す。もちろん、エリートたちがマルクス主義者に転向したわけではありません。資本
主義のえげつなさやダイナミズムを知り抜いた「勝利者」だけが、マルクスの偉大さ
を理解しうるという逆説です。ふりかえれば、資本主義の荒波もダイナミズムも経験
することなく、一種のアダルトチュルドレンとして代々木ビルで暮らしている方々が、
原さんが指摘されたように、レーニンを歪曲するとしても、当然かもしれない、そん
な感じがします。また、ご指導ください。