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「科学的社会主義」討論欄

宿屋飯盛さんへ

2000/6/15 カワセン、50代、自由業

 なかなかレスが難しく、しばし考え込みましたが、私の主張の根幹は、細部のあれこれを問題にするのでなく、もっと大まかなことを言っております。 それには、「独占資本(主義)」という問題設定自体があり得ない、ということも含まれます。詳しくは、いま準備中の、「現状分析と対抗戦略」討論欄での吉野傍氏「森発言のもう一つの側面」へのレスをお読みいただければ幸いです。
 さて、少しだけ、逐次レスします。

現在の「市場主義」はむしろ、大資本が労働者や社会的弱者から権利を奪い取る方便として利用されておる感が強い

 ですから、こういうふうな「見立て」、つまり、「労働者や社会的弱者から権利を奪い取る」人格的な存在として「大資本」というものがあり、その「悪い奴ら」が意図的に「市場主義」を導入している、といった図式がおかしいのではないか、と申している訳です。

「独占資本」かはともかく少なくとも大資本の利益と「市場主義」は矛盾していないように見えます。

 市場原理主義によれば、「大資本」(そうした人格的な存在があるのだとして)の構成自体が不断に再編成されていく訳で、「大資本」から見ると、これは自己否定にも通じましょう。どうしてそんなことを無理してやらねばならないのでしょうか? 「独占資本(主義)」という静態的な認識では、現状を捉えられないことは確かだろうと思います。

「自己責任、規制緩和、市場主義」を唱える論客が一方で銀行への公的資金の導入や負債を抱えた企業の債務免除に賛成または沈黙しているのは、このあらわれではないでしょうか。

 これは、「「自己責任、規制緩和、市場主義」を唱える論客」がただ御都合主義的に「自己責任、規制緩和、市場主義」を唱えているだけ、つまり、日本的にそうしたイデオロギーが歪んで導入されているだけであり、正常なグローバル基準には<まだ>達していないというだけのことでしょう。そこに依拠して存続を図っているのが自公保政権なのであり、現在の日本の混迷の最大の原因はそこにあるのであって、そこをまず突き崩さないといけない訳です。