J.D氏の議論を読んでいて、ふと感じたのですが。共産党の中で、レーニン以外の20世紀社会主義の経験と議論について、良い悪いは別にして、どの程度教えられているのかなあ? 19世紀の議論よりはるかに意義ある経験、議論があったと思いますが。マルクス派、非マルクス派以前に人間が、未来について考える時、少なくとも過去の先人が経験し、未来の人のために残した道を知ることは最低限必要なのでは?
私たちの様な語学力のない労働者、学生等にとってこれらの遺産を翻訳、もしくは要点を知識人に紹介して頂くことは大切なことです。以下私が必要と思うことを書きます。これらの内容は、翻訳はされていない物が多いと思いますが、その内容の要点は、研究者によって紹介されていますので、党員の方々も知ってください。
1.20世紀ドイツ社民党(SPD)の経験と議論
ア.20世紀初めのベルンシュタイン修正主義論争
イ.1959年のゴーデスベルク綱領作成までの6年間の議論内容
ウ.1989年のベルリン綱領までの政治的経験と議論内容
2.イタリア共産党の経験と議論
ア.グラムシの思想
イ.トリアッチの構造改革論
ウ.歴史的妥協路線
エ.左翼民主党への道
3.その他ヨーロッパ諸国の経験と議論
ア.フランス
イ. スウエーデン
ウ.その他
4.ソ連・東欧での経験と議論
ア.社会主義経済計算論争を初め、経済論争
イ.ハンガリーやユーゴでの市場を一部組み込んだ経済改革
5.中国での経験と議論
ア.毛沢東 大躍進、文革の失敗
イ.トウ小平の改革・開放路線
ウ.トウ小平時代以降の保守・改革派の経済の議論
6.ベトナムでの経験と議論
7.日本での論争
これらの経験や議論から私なりに結論をだすなら、
1.ヨーロッパの社民および共産党
2.ソ連・東欧の社会主義政権
3.中国、ベトナムの政権を持った共産党
いずれにおいても方向性は、違うものの脱マルクス主義に向かったということです。一方で労働者を初め、人々の様々な生活条件が良くなったということです。J.Dさんは、19世紀の「反デューリング論」をよりどころとしてマルクス主義を擁護されていますが、こうした20世紀に人類が行った政治的経験と議論の内容を学ばれること希望します。