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「科学的社会主義」討論欄

J.D.氏の認識への疑問

2000/9/10 琵琶湖 太郎、30代、労働者

「レーニンは・・実践では正しい行動をとりながら、」

 レーニンの実践はすべて正しかった? 例えばトロツキーの支持者は、彼がレーニンより一年早くネップを提唱したと言いますよね。戦時共産主義は経済政策としては失敗であり、もっと早くネップを導入すべきだったのでは?

「エンゲルスの方をマルクスより上にしたのは、(中略)ヘーゲルに近づこうという努力がみられましたから。」

 ということは、あなたは観念論者のヘーゲルを最も評価しているのですか?

「国家権力が社会関係に対して行ってきた干渉は、一領域から他領域へと無用の長物となり、ついには順々に眠りにつく。」

この文章は、階級がなくなれば、国家の存続意義がなくなるということでしょう。つまり1.国家消滅論です。あなたが書いているのは、2.教育によって犯罪者を出さなくしてから、みんなの力で国家を廃止する可能性があるという国家廃止論です。だから修正主義者J.D.氏と言っているのです。

「対外的には依然として、国家として振る舞わざるを得ないわけですから。」

 だから、20世紀のマルクス主義政党が国家権力を握った国々での対内の現実は、全く理論と違っていたじゃないかと。それをどう説明するのか?説明できないなら理論を変更せよと言っているわけです。国家がなくなれば、破滅的結果になるだろう。例えば貨幣をなくして、どうやって経済を発展させていくのか? マルクスから死後100年以上経ってるのだから青写真を描いていただきたい。私はあなたと全く正反対の結論です。つまり、後の実践者は、マルクスを誤って認識したことによって失敗したのではなく、あまりにも現実的でない理論を現実的に修正してそれなりにやってきた。例えば、貨幣を廃止せずに存続させたことや、対内的には義務教育や消防署等必要な国家組織を存続させたこと等。しかし、市場を全面的に活用できないという理論からくるハンディを徐々にしか克服できなかったために投資、労働力、生産物の配分に無駄が発生し続けた。彼ら、マルクス主義者達が、現実を改善し続けた結果が、何度も言いますが社会主義市場経済である。このモデルは、エンゲルスの言う古代氏族社会を高度の次元で復活させたモデルとは異なりますが、私は、あなたほど一人の人間の思想を絶対視しませんので、この議論の方が相対的に正しいのではないか?と考えているわけです。またカワセンさんが何度も書いていますが、この流れとは、別に100年前にベルンシュタインがマルクス批判をおこなっています。彼は、議会制民主主義だけでなく、19世紀までの社会主義思想の商業、市場、貨幣を否定する流れを断ち切って、これらを正当に評価しています。また、ルソー以来の、平等論において、原始社会を理想社会とし、これを未来へのモデルにするというイデオロギー的見解も否定しています。