第2項 日本共産党はコミュニストにとって如何なる存在か?
第1項で立証のとおり、コミュニストは党を必要としない故、日本共産党はコミュニストの党ではあり得ない。が、存在するものは理性的であり理性的なものは存在する、という見地からすれば、日本共産党は単に日本における野党の一つとしての存在であるにすぎず、コミュニストの党という客観的必然性を体現したものではない。彼等がいかに声高に自己主張しても、共産主義に私的に準拠したつもりなだけで、絶対に、私的な集団の域をこえるわけにはいかない。
振返ってみれば彼等に誰が共産主義を名乗って良いと言うお墨付きを与えたと言うのだろう? 破産したコミンテルンだけではないか! これは中国共産党等に対しても言える。
ゆえにコミュニストとしては、間違っても彼等を共産主義者扱いすることなく、その名を僭称する私党集団として、少しは歴史の歯車回しに役に立つように叱咤激励できるだけである。彼等をコミュニストとしてみればその情けなさに切歯扼腕、もんくのつけっぱなしで埒があかぬことになるから、そんな「悪しき無限」の地獄にはまらぬようにするのが賢明というものだ。
ちなみに、「コミュニストの宣言」(俗称「共産党宣言」)第4章では「種々の反対党に対するコミュニストの立場」を宣言している。が、コミュニストが独自の党を創設して政治運動をせよと言うことは、当然の事ながら一言半句もない。コミュニストが、党を作らずにいかに活動すべきかが明確に示されている。これが唯物論的弁証法論者たちのグローバルな立ちまわり方の指針であると私はみる。(以上第2回)