マルクス主義、マルクス=レーニン主義、社会主義、共産主義、科学的社会主義。それぞれの名称が時代的背景をもっている。前の二つは、スターリン問題とのからみがあろう。
sociallism、communism。スペルは多少違っていたらご容赦を。これらは該当する言葉がヨーロッパから伝わってきた。問題として設定したいのは、科学的社会主義である。空想的社会主義として措定したのはエンゲルスと思うけれど、ロバート・オーエンやフーリエ、サン・シモンらを単に空想的と形容づけるのは今日的に無理がある。それらは科学的ではなかったかも知れないし小ブルジョア思想かも知れない。けれども、エンゲルスもマルクスも同時代に広く流布していたこれらの思想との緊張関係やかかわりあい、ひいては闘争を通して自らの学説をうちたてた。其の点ではもう少し「空想的社会主義」を「ユートピア探求型社会主義」として分析し継承する働きが必要と思う。戸坂潤は「科学的精神」を掲げ「日本精神」の教学に対抗した。日本イデオロギーの狂信性に対峙して。日本共産党は「科学的社会主義」を標榜している。異論はないが、現代民主主義の観点が薄い。私は「民主主義的現代社会主義」と考える。