不破氏の市場理論について
2002/9/26 ヘーゲル、40代、大学教員
今回の不破氏の訪中で、天安門について言及したことは、期待していなかっただけに高く評価しますが、彼の講演については、彼がというよりも、日本の学会がその程度なのか(理論の啓蒙も含めて)とがっかりさせられます。
- 価格の変わりに重さを指標にしたらどうなるのか、このような議論は、昔からこの問題を論じるとき、話のきっかけとして持ち出されている議論ではないでしょうか。たとえば、森嶋通夫『近代社会の経済理論』p.81。素朴な共産党員はこんなことでも感激しちゃうのでしょうか.
- 市場の問題を持ち出しておいて、労働力の商品化というキーワードが出てこない、というのもお粗末だと思います。
- しかし、レーニンの時代に物事を考えることをできる人は彼しかいなかったのでしょうか。例えば、近代経済学を学ぶ人なら知らぬものもいないスルツキー(Slutsky, Eugen)は、有名な論文をボルシェビキ政権成立以前に書いて、後にソビエト・アカデミー会員に選ばれています(森嶋通夫、前掲書 p.15)。このへんの歴史に詳しい先生にもっと啓蒙活動をしていただきたいと思います。
- この問題はいろいろ面白い議論ができると思うのですが、「経済」にはちっともこの類の論文が載りません。また、廃刊になるでしょう。
- ちなみに、私は某大学の経済学部に所属はしていますが、専攻は統計学です(ベイジアンです)。経済に詳しい方、レスをお願いします。
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