こすもすみとむさんの問題提起、私は歓迎します。普通に生活していると、マルクス主義はすでに死に絶えたのかのような印象を受けます. 理論面でのヒーローを生み出すような裾野のひろい理論戦線の構築は、急務ではないでしょうか。その起爆剤になるような議論の末席にでも加えていただれば幸いです。本ホームページの趣旨の範囲内で活発な議論が行なわれることを期待します。
さて、こすもすみとむさんは、科学の定義以前に哲学を定義する必要があると述べられていますが、そもそも「定義」とはそのようなものなのでしょうか。ヘーゲルは、定義をそれだけで明白な確定的なものでなければならないという考え方を否定して、定義の発展のうちに定義の意味がある、と書いています(小論理学(上)、岩波文庫版、p.28、29)。いかがでしょう。
このようなこのホームページ上では全く瑣末な問題をあえて提起したのは、上の言説の中に、学問は体系的でなければならないというヘーゲルの信念がありありとうかがえるからです。また、「定義」というような一見自明なことにも、根本的な考察を加えている点も注目に値します。これに対して、理論戦線の現状は、一体どうなっているのでしょうか。
なお、私は研究職ですが、哲学は全くの素人です。