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「科学的社会主義」討論欄

最終兵器彼女

2002/11/7 Hegel、40代

 5月1日付けの赤旗の石子順の現代まんが見本市において、高橋しんの「最終兵器彼女」が取り上げられている。短いスペースの中で、この漫画のストーリーを手際よくまとめてあげているのには感心させられるが、

戦争の悲惨さが強く浮かび上がってこない

 というくだりには賛成できない。反論箇所としては、第5巻の第7章 さようなら(9)、および、さようなら(11)をあげておけば十分であろう。さらに、後半にしばしば現れる「もう一人のちせ」にも注目すべきであろう。「純愛を描くが,、戦争の現実をもっと」というのが石子氏の主張であるが、「戦争の現実」を詳細に描かなかったことにこの作品の成功の鍵があったと思う。「怒りがほしかった」と石子氏は言う。僕も、戦争に対する「怒り」を描ける漫画家が出現してほしい。しかし、そういうスーパースターの出現を促すヨハネの役割を果たすのが評論家であるとすれば、もっと大胆な評論を望みたい。