今月号の「経済」は21世紀にマルクスを読むという標題でマルクス特集だよ。1300円と値段はちと高めだけど。
いろんな方面からマルクス主義への研究や解説がてんこもり。図式や年表に地図あり貴重な写真・資料が満載でマルクスの魅力を満喫させていただきました。デジタル版「哲学の貧困」の紹介は楽しかった。私は語学力などないが、この画像ファイルからはフランス語からでもマルクス主義の香りが漂ってくるような錯覚すら感じた。脳細胞をびんびんに興奮させる文章が続いていく。「弁証法的思考は諸科学の発展の中で人々の常識の一部となりつつあるほど浸透していってるといえましょう」フムフム同感。効用価値説は「そもそも測定不能」と一刀両断。貨幣理論では青木雄二氏の著作からの引用もある。霊魂不滅説を尻目に脳と意識の関係が科学的知識の飛躍的発展によって唯物論的に高められていくという解明は現在進行形で聖書原理主義者をうちのめす。
知的興奮をさめさしてくれたのが不破先生。山口富男という方が「レーニンと資本論」という著作の紹介でレーニンが議会制度を否定したとしていたが、世界で初めて女性に参政権が得られたのはロシア革命の直後であり資本主義国も遅れをとるまじと普通選挙権が全世界に広まり、日本でも治安維持法とセットでありながら1925年普通選挙制度が始まったのではないのですか。
日本には「女性の世界史的敗北」はなかったとチョンボやって以来、不破先生の博学には悲しい疑問符を感じるようになってしまいます。昔はいい勉強になったんですけどね。
1300円でかなり堪能させていただきました。新日本出版社の皆様、ありがとうございました。