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「科学的社会主義」討論欄

自由と民主主義から平等へ

2004/07/27 百家繚乱 50代 事務職

 「自由と民主主義」の発展こそが、人類の「平等」への道を切り開く。
 「平等」への見方にはいろいろあるようだ。「機会均等の平等」・「結果の平等」等々。しかし、どんな「平等論」も、一国単位の平等論は、グローバル化しつつある今日の世界では、衰退の道しかない。長い間、「平等」は「自由と民主主義」に対立する概念として語られてきた。なぜ、こんなことになったのか?それは、「平等」を「競争と市場の排除」と勘違いしてきた「左翼」の知性の責任である。「左翼」は、長い間、「平等」と「平和」は、党と国家の官僚の統制によって実現されると勘違いしてきた。官僚統制の解体は、アナーキーであり、敗北主義である、となった。しかし、実のところ、この「平等と平和」なるものは、官僚の特権を守る不平等でしかなかった。また、「自由と民主主義」を排除した「平等」は、一種の宗教による「結果の平等」となったが、異端者は、この平等の埒外となった。
 一元的な世界では、確かに、ある競争に敗北すれば、全てにおいて敗北である。しかし、多元的で多様な世界においては、弱点が長所となり、敗北が勝利への道を導く。どんな人間も、それぞれの道において、己の勝利への道が切り開かれるだろう。人間というものは、元々、社会的な動物である。優勝劣敗・適者生存の原則で、一時的な、或いは一世代的な幸福があっても、安定していなければ、長期的な幸福の保証とはならない。近隣の窮乏化の中で、安定した己だけの幸福はありえない。人類の平等を求める社会性は、普遍的な欲求である。人間の自由な競争と市場は、必ずしも、不平等化を推し進めるものじゃない。民主主義社会における選挙では、社会全体の厚生を求める者が、一般的には有利になる。公平・公正・公開な競争・市場は、国境を越えた人類社会の平等化を加速することはあっても、その障害となることはない、という事実こそが、今日では明らかである。
 自由は、ある種のアナーキーと反発力を意味する。民主主義は、ある種の秩序と牽引力を意味する。平等は、この自由と民主主義の調和ある発展を維持する上では、不可欠な要素となっている。権利の平等・機会均等の平等を保証しなければ、民主主義は自由を破壊する。また、自由な意志主体が、各々の平等な権利を尊重しなければ、民主主義を破壊し、結果的に己の自由をも奪う。市場原理によって、一時的な結果の不平等が産まれたとしても、それが、公正・公平・公開な結果であるならば、当然であって、何も問題にはならない。問題は、結果の不平等が固定した関係になること、公正・公平・公開でないこと、結果の不平等が極端に拡大すること等である。これは、市場原理じゃなく、市場の失敗である。市場の失敗を防ぐために、市場を解体するという古い「左翼」の知性は、余りに幼稚すぎる。
 自由な経済生活は市場原理を求め、民主主義的な経済生活は意識的な計画性を求める。民主主義的な政府は対等平等な選挙人によって選出される限り、例えどんなイデオロギーを掲げても、否応なしに「結果の平等」を志向せざるを得ない。この「結果の平等」は官僚統制と市場の排除によってではなく、自由な市場との合意によって志向しようとする。一党独裁の「社会主義国」で飢餓が発生し、民主主義的な政府の下で飢餓が解決した、というのはこの事を雄弁に語っている。市場原理も公平・公正・公開なものであるためには、敗者復活の機会を保障し、機会均等の権利を守ろうとする。従って、自由で民主的な経済生活は平等化を加速する。グローバル化は一時的には、国境の壁によって守られた平等的な社会構造体を不均等化し、不平等化を加速する。いかなる発展も、一律に同時並行に進むことは在り得ない。しかし、グローバル化は世界全体の自由と民主主義を加速し、世界全体の平等化を加速する。
 労働者階級は馬鹿じゃない。己の国の労働者の「平等」ばかりを求める政党を、自分の代表だとは考えない。まして、官僚統制を強化して、官僚の特権を守るための「平等論」を主張するような政党を、己の代表とは考えないのは当然である。日本の官僚的で閉鎖的な経済構造はグローバルな世界経済に適応していない。今日の日本では、この世界経済に適応した構造への改革が不可欠である。グローバル化の中で、今日の青年は何をすべきか?、と真剣に悩んでいる。こんな青年に、「グローバル化反対」「構造改革反対」と言って、時計の針を逆回りさせようとしても、青年は見向きもしないのは当たり前である。マスコミに青年が騙されているのじゃなく、古い「左翼」が余りにも時代遅れで、知性が欠落しているに過ぎない。グローバルな世界で生きて行かなければならない、今日の青年は、古い「左翼」よりも、何倍も国際的であり、左翼的である。いかなる時代においても、青年は自主的で創造的であり、自由と民主主義を志向し、官僚的な権威を忌み嫌う性向を持っている。ありもしない古い権威に「不屈の精神」でしがみつき、国有化と官僚統制を信じる「左翼」が、青年から見・・・(文字化け)・・・
 万国の労働者は団結せよ!