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「科学的社会主義」討論欄

「科学的」な意味

2005/05/10 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 対ドイツ戦勝60年に沸き立つロシアで、スターリンの評価がうなぎ上りだと 言う、もっとも「社会主義指導者」ではなくて「戦争の指導者」としての評価だと言 うが、国民の58%が評価し共産党員にいたっては85%が支持していると言う。
 チェチェン弾圧を抱え、中央アジア諸国をいつの間にかアメリカに売り渡して知ら ん顔しているロシアのプーチンの基本的姿勢は、疑似スターリン主義、強権的な人民 抑圧政治である、ブッシュを真似て軍服姿でチェチェンの空港に降り立った姿は、こ の小心者プーチンの面目躍如であった。
 さてしかし、雁古さんの「科学的社会主義」には些か圧倒された、あのアインシュ タインの相対性原理をはるかに上回る科学的分析である。
 なんと1883年に死んだマルクスがレーニン・スターリンを批判したと言う、そ して「共産党宣言」第3章に科学的社会主義という言葉が登場すると言う、だが本当 に正しいのか。
 私はあの傲慢な独裁者スターリンは大嫌いである、反スターリン主義者だと思って いる、労働者階級自己解放の放棄、一国社会主義論、徹底的な官僚主義支配、世界革 命の放棄、プロレタリア独裁ならぬ個人独裁、帝国主義との協商、それらの裏で行わ れた大量粛清などなど、余りにも共産主義とはかけ離れた独裁支配を行ったからだ。
 レーニンが生まれたのは1870年、マルクスが死んだ時13歳である、スターリ ンは1879年生まれだから僅か4歳、子どもや赤ん坊を批判出来る訳がない。
 また「共産党宣言」には「科学的社会主義」などの言葉はどこにもない、もし共産 主義を科学的と形容するなら、エンゲルスの「反デューリング論」の中の3章、後で 「空想より科学へ」で「科学」が登場する位である。
 「共産党宣言」が書かれた時、ドイツやイギリス、フランスには色々な社会主義が 満ち溢れていた、封建的社会主義、小ブルジョワ社会主義、ドイツ真正社会主義、ブ ルジョワ的社会主義、批判的・空想的社会主義などなど、これらについてマルクスと エンゲルスは共産主義として、また共産主義者同盟の規約として党宣言を書き、これ らエセ社会主義を徹底的に批判したのである。
 この「共産主義」を、日本共産党が自分の都合の良いように改竄・造語したのが 「科学的社会主義」なのだ。
 この改竄の過程で「暴力」が「権力」となり、「暴力的」が「強力的」に変えられ た、そして「階級独裁」が「執権」に変えられたのである。
 この21世紀でも、いくら哲学者や科学者が頭を捻っても「科学的社会主義」など 実現しない、いくら良心的議員が議会の過半数を占めても、社会主義や共産主義社会 は実現しない。
 「資本主義の最高発達段階の帝国主義」国アメリカが、超軍事大国として、全世界 的に共産主義載の理想とは裏腹の、弱肉強食のグローバリゼイション・世界支配を行っ ているからだ、アフガンやイラク、そして北朝鮮のように刃向う国には先制攻撃をか け、潰して来たしまた潰そうとしている。
 これに打ち勝つには、それこそ「資本主義の墓堀人」たる全世界の労働者・プロレ タリアートの団結と連帯による「プロレタリア世界革命」の実現しかないのです。
 現場で地域で、そして泥臭くてかっこ悪い現場の労働者の闘いから、全ては生まれ るのです、「科学的」といえばなんでも良くなるような幻想はそろそろ止めにしましょ う。