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「科学的社会主義」討論欄

「マルクスだったらこう考える」山本進さまへ

2005/06/05 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 「レーニン嫌い」の山本進さまに是非お勧めの本があります。
的場昭弘さんが書かれた「マルクスだったらこう考える」(光文社新書2004年 12月20日初版)です。
 「マルクス研究者」と自任する的場さんのマルクスとの出会いは、1967年中学 3年の時と言いますから既に40年近くなります。
 この本は本当に軽いタッチで始まります、序章のタイトルが「マルクス二十一世紀 の東京に現わる」ですから、私は単なる「マルクス主義入門書」程度と考え購入しま した。
 しかし読み進むうちに彼のマルクス主義思想への精通振り、マルクス主義理解度の 深さが分かってきました、「マルクスをこう読んでもいいのだな」とか、私自身の理 解の誤りや誤解が、謎解きのように確認できる、分かるようになったのです。
 山本さまはどうも「日本共産党の中のレーニン」しか理解されていないように思い ます、それに基づいて「レーニンの本は一切読まない」とまで覚悟?を決められてい るようですが、これは「日本共産党の知識層」を公にされる山本さまとして非常に残 念だし、キツイ言葉で言えば思想的貧困だと思います。
 マルクスも「若きマルクス」として「経済学・哲学草稿」で当時の主流思想であっ たヘーゲルを徹底的に批判する中で、自らの思想的確立を図っていますし、「共産党 宣言」でも、「ドイツ・イデオロギー」でもほかに存在する共産主義思想を研究し、 徹底的に批判する中で共産主義・マスクス主義を確立しています。

 レーニンの「国家と革命」はその大半が「共産党宣言」や「ドイデ」からの引 用を中心として、そこに彼自身の階級闘争の実践を重ね合わせ、如何にしたら現存支 配する資本主義を、その究極の姿としての帝国主義を打倒できるか、また革命の達成 後の「労働者階級を主人公とする国家」が如何にあるべきか、などを労働者や学生、 農民などに分かるように理論展開しています。
 その中でカウッキーなどの日和見主義や、排外主義なども徹底的に批判しているの です。

 レーニンが10月革命の前、1917年7月、スヴェルドロフ大学で、若き労 働者や学生を前に講演した「国家について」を読むと、レーニンが若者達に、勉学態 度や国家のあり方について、如何に優しい眼差しで、誠意と熱意をこめて説いている かが分かります、「俺たちもこれくらい勉強せんとな」と読んでいくうちに感動して 思わず涙が出るくらい、そこには「人間的レーニン」の姿があります。
 山本進さん、日本共産党の狭く誤りの多いレーニン解釈で満足しないで下さい、的 場さんではないですが、もっと別な角度からマルクスでもレーニンでも見つめ研究し て下さい、「全く違ったレーニン」が山本さまの前に現われるかも知れません。
 残念なのですが私たちは、マルクスやエンゲルス、またレーニンが描いた理想社会 を未だに建設したこともなければ獲得したこともないし、地球の他の国で見たことも ありません。
山本さまの第二次世界大戦に対する関心の深さには敬意を表します、是非これ位の 熱意で、マルクスやエンゲルス、そしてレーニンを勉強して下さい、そして本当に目 覚めて下さい、期待しています。(但し第二次世界大戦は「自由とファシズム」との 闘いではありません、あくま で帝国主義同士の世界争奪戦として展開されました、お間違いなきようにー)