「プロレタリア独裁」とは一体、なんなのでしょうか?
このサイトでは「独裁」と言う言葉が嫌いな人が多いし、また日本共産党はそれを「執権」とか何とか言って誤魔化して正面から逃げ回っている。
しかしマルクスやエンゲルス、またレーニンもそうですが、「プロレタリア独裁」とは革命で政治権力を握った労働者階級が、これまで権力を握り好き放題にして、労働者が生み出してきた剰余価値を掠め取り、溜め込んできた来たブルジョワジー、資本家などの支配階級に対し、その全ての権力を奪い、労働者やその他階級階層の人から搾り取って溜め込んだ利潤や財産を、そっくり社会へ取り戻し、社会構造そのものを根底から覆す事なのです。
だから「独裁」だといっても、それは何処やらの軍事独裁政権やスターリン主義独裁とは全く違ったものです、「プロレタリア独裁」とは、ブルジョワジーや資本家、そしてせいぜいその召使たちに対する「独裁」であって、それ以外ではありません。
だから何処かの政党の議長さんが仰るように、武力を伴う「過渡期」が200年も続く訳がない、勿論世界革命、全世界の革命の進行状況によって多少ずれるでしょうが、その過渡期は極短期間だと思います。
昨日便所掃除していた人が、今日はソビエト(議会)の議長をしている、昨日裁判所で踏ん反り返っていた人が、今日は豚の世話をしているかも知れない、「共産主義社会」とはそんななんでもありの、ありふれた社会なのです。
勿論、労働者や農民、中小企業主などが「プロレタリア独裁」によって痛めつけられたり、殺されたりする事もない、また恐れる必要もない、もしそんなことをするヤツがおれば、忽ち民衆の力によって権力を奪われ、その地位を追われるでしょう。
先ずありえない事と思いますが、資本家・ブルジョワジーが「プロレタリア革命」に完全に白旗を揚げて降伏し、その全財産を吐き出し、一切の政治権力などから手を引くなら、「物理的な暴力」など発生の余地はないのです。
しかし、これまでの歴史が証明するように、フランス大革命などブルジョワ革命でも、ロシア革命などプロレタリア革命でも、権力を握っていた貴族や王族、そして資本家・ブルジョワジーは、残念ながらスンナリ降伏した事はない、それまで保持していた軍隊(ロシア革命では白軍)や民兵を動員して、「プロレタリア革命」を粉砕しようとする、それを許さない為にのみ「赤軍」や武装した「プロレタリアの隊列」は必要だったのです。
よく歴史に「もし」はないといわれますが、かのロシア革命の後に、「ドイツ革命」がローザやリープクネヒトによって勝利していたら、その後の世界は今とは全く違ったものになっている、ロシア、ドイツ、フランスそしてイギリス、イタリア、日本と世界革命が連続的に起こる、中国などの「民族解放革命戦争」がそれに続く、そうなれば第二次世界大戦もなかったし、アウシュビッッもヒロシマ・ナガサキもない、東西冷戦などもなかった、レーニンは世界革命の一環としてのドイツ革命の敗北を一番嘆き悲しんだのです。
世界革命が達成されれば「各人はその能力に応じて、各人にはその必要に応じて」の「共産主義社会」が実現できるのです、当然これは現在の官僚主義とその腐敗がはびこり、専制的独裁者が支配する、中国や朝鮮、キューバやベトナムの「カッコつき社会主義国」とは全く違うし、今盛んに持ち上げられている北欧諸国のような「大きな政府」国家とも全く異なります。
なぜか分からないけど、よくたかが年収1000万円の人を「ブルジョワ」などと言う人がいますが、これは完全な解釈間違いです、もし共産主義社会の実現によって生産性が格段に向上し、全ての人が年収1000万円を得るなら、それは極当たり前の現象となるでしょう、前述したように、共産主義社会では現在のブルジョワ社会のように、仕事は固定化していない、何でもできるし何でもやれる、ブルジョワ社会では封印されていたその人の「隠された能力」も発揮出来るかもしれない、当然どんな仕事していても基本的に給料は同じです、今のような貧富の差なんか出ない、「厚遇問題」もなければ「非正規雇用問題」も起こらない、絶対ありえないのです。
全世界的に見ても、類的存在として人類は限られた資源、環境の保護が優先されます、しかし食糧問題も今のように「儲けるための生産」=過剰生産と廃棄などないから餓えもない、民族紛争・宗教紛争なども起こらないし差別もない、当然国境争いなんてもない、言わば「地球の人類みな兄弟」の社会なんですね。
なんかこのサイトでの一部の人々による論争は「重箱の隅ほじくり」みたいで夢も希望もない、先ず革命と言うか、この腐りきったしブルジョワ社会を根底から転覆するような、具体的な運動を伴わない論争は、ただ単に意味のない言い争いでしかなくなる。
幾ら熱心に論争しても敵権力には何の打撃も与えない、小泉純一郎を震撼させるような運動と論争が必要なのです。
以上述べたことは全くの概観にすぎません、論争するところは幾らでもあります、余り前提条件などつけないでの論争をやって行きましょう。
最後にもう一度確認します、「プロレタリア独裁」とは資本家・ブルジョワジーに行使され、ブッシュや小泉みたいな「支配階級の召使たち」を打倒するための過渡期的な政治権力のあり方を意味します、一般的な独裁政権の事ではありません。
またこれは決して時代遅れの陳腐な思想ではなく、現在世界を覆ったかに見えるクローバリゼーションにも十分対抗できる、プロレタリアート階級の思想そのものです。
言葉使いに不十分なところがあると思います、その時はどうぞご指摘下さい。