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「科学的社会主義」討論欄

やすしさまへ、それはマルクス・エンゲルスの偏見かも知 れません

2005/12/18 アンクル・トム 60代以上 無職

 原始共産制の概念は、北アメリカ原住民を中心として、 その当時の世界の原住民の生活を綿密に調査・研究したモルガ ンの「古代社会」に基礎を置いており、エンゲルスの「家族・ 私有財産及び国家の起源」の中で言われております。管見では ありますが、モルガンの研究は、実証的ではあるが、西洋が進 歩していて、他は遅れた地域という認識が根本にあるように思 います。原住民を原始時代の生きた化石人間と断定して、古代 社会を論じていると思います。モルガンが発見したのは、古代 社会だったのでしょうか。私には、北アメリカ原住民やその他 原住民もやはり彼らなりの社会制度を歴史的に作り上げてこな かったとは思えません。
 西洋が進んでいて、他の地域はすべて停滞しいたそんな偏見 から、マルクスもエンゲルスも解放されていなかったのです。 彼らの史的唯物論はここから出発しますから、大いに検証する 必要があると思います。マルクス主義ないし科学的社会主義な るものの底の浅さを露呈しているのではないでしょうか。マル クス主義は、徹底的に唯物論的だなどと言いますが、ヨーロッ パ中心主義という唯物論では絶対に説明のできない観念論が忍 び込んでいます。
 原始共産制とは、ヨーロッパから見て、未開と思われていた 地域の住民が歴史的に創造してきた社会制度だとも考えられる のです。また、むしろそれは、人類の持続可能性という観点か らするならば、資本主義は勿論のこと、マルクス・エンゲルス が目指した社会主義よりも優れた制度だったかも知れません。 これからの世界は多様性を認めざるを得ません。すべての民族 は固有の発展史をもっていることを認めるべきでしょう。「あ なたのお祖父さんは化石人間だった」というような学説は棄て るべきです。