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「科学的社会主義」討論欄

政策共闘は当然です>赤石十全さんへ

1999/6/14 吉野傍、30代、アルバイター

 どうも、赤石さん。多くの点で私の意見に共感していただき、恐縮です。最後の点につきましても、私と違う意見ではないと思います。何らかの特定の課題や政策について、野党間の協力や共闘が実現できるなら、当然、それ以外の意見の相違を保留して、その共闘を追求すべきです。盗聴法案反対という特定の課題での共闘は、民主党であれ、社民党であれ、大いに追求すべきです。
 むしろ問題は、共産党指導部が、こうした一般的な共闘原則からの単純に延長として政権問題を論じているところにあると思います。政権というのは、あらゆる政治・経済・外交問題にコミットせざるをえない存在です。盗聴法案反対の集会やデモをやるのとは違って、1つないし2つの政策的一致だけで政権をいっしょに担当することはできません。すべての問題で一致しなければならないとまでは言いませんが、政治・経済・外交にかかわる基本的な諸問題に関しては、ひととおり政策的な合意ができないと不可能です。
 その点で、共産党指導部がときどき打ち出す「暫定連合政権構想」というのは非現実的であり、ナンセンスだと思うのです。たとえば、いくら民主党と盗聴法案反対で一致しているからといって、盗聴法案反対の一致点で暫定連合政権を、などと言えるでしょうか? それ以外の無数の問題について意見を留保していっしょに政権を担当することが可能でしょうか? 単に盗聴法案に反対する運動をするだけなら、他のすべての意見の相違を留保することは簡単ですが、同じ政権に入って内政・外交・軍事を担当するとなると、そうはいかないのです。
 単なる政策共闘と政権問題とを厳密に区別して考えることこそ、この問題におけるいちばん重要なポイントだと思います。