私が党幹部に聞くのは筋違いで、『さざ波通信』主宰者にこそ科学的社会主義についてどう考えるか、聞いた方がいいと言ったのは、あくまで、「ここでは」(このHPでは)という意味です。
だって、このHPに幹部はいない(のですよね?)わけで、場違いだというだけの意味でした。
お二人のご主張のメインの部分にはかなり共通した点がありますが、お二人とも党にこだわりすぎではないでしょうか?
マルクス思想を現代的にどう受け継ぐのか、ソ連崩壊後の今日、どのように考えないといけないのか、といった大問題について、党のフィルターを通した発想しかないみたいで、その点どうにも気になります。
まず、J.D.さんが「科学」について、あまりに楽観的な見方をされている点にずいぶん違和感を持ちます。
いまどき、「科学」を万能だ、「科学」と言いさえすれば(そう形容さえすれば)それで「絶対の真実」であり、「絶対正しいもの」だと皆が受け止める、そう考えること自体、間違ってます。
そんな「科学」への単純素朴な盲信をしている人のほうが、いまや絶対的少数派ですよ。
原発問題を改めて持ち出すまでもなく、戦後、特に70年以降、科学への不信感が広がってきたというのが本当のところではないでしょうか?
私自身は、一概に「科学」不信に組する者ではありませんが、そうした科学への不信感の存在自体を意識しない楽天家というのはあまりに社会の現実を知らなさすぎです。
J.D.さんは、私がマルクスの思想はあくまで共産主義であって、社会主義ではない、と書いたことに「解説を」を書かれてます。
それには、マルクスの原典を読んでください、としか言いようがありません。
プルードンたちフランス社会主義を批判的に継承して、共産主義理論をうち立てたのがマルクスである、というのはどんな通俗的な入門書にも出てませんかね?
なお、日本のマルクス研究は世界水準です。
党にこだわる方々には分からないかもしれませんが、最近でも重要なものがけっこう出てます。
昨年の『マルクス・カテゴリー事典』(青木書店)、最近では(こちらは若い世代向けの入門編ですが、顔ぶれは豪華で読みであり)「アエラムック」の「マルクスが分かる」(朝日新聞社)。
もう少し、党にこだわらず、広く読んでいただきたいです。
党中央には盲従しないけれども、党には盲従するというのでは、党外の私のような人間にはその差はほとんどないも同然です。
あと一歩踏みこんで(また飛躍して)いただきたいです。