まず、マルクスは自分の学説を「科学的社会主義」とは呼んでいませんよ。その点をご理解お願いします。
さて、エンゲルスによって定義された科学的社会主義とは剰余価値の発見と唯物史観=社会主義社会の必然性でした。剰余価値の発見は科学的な認識といえましょう。しかしこれは、あくまでもマルクス主義が科学的な経済認識を持っていた、というだけのことでありマルクス主義そのものが「科学」とされるわけではありません。
それでは唯物史観の方はどうか?といえば実際はまったく論拠にかけるものでしょう? せいぜい、イデオロギー的な仮説でしかない。大体、未来社会の必然性を語ることほど、人間の主体性を無視した話などない。歴史の移行を科学的に論証することなど不可能なのです。ということで、とりあえずは簡単に。
「科学的社会主義」などは放棄されても当然です。ちなみに「科学」という言葉は「必然性」「絶対性」を持っていなければなりません単に「論理的」で「体系的」なものを「科学」と呼ぶことはありえません。ご注意を。