前回、「お二人のご主張のメインの部分にはかなり共通した点があります」と書いたのは、どちらも「党」の外部を認識していない、という点で一致するのではないか、と私が感じたからです。
J.D.さんの「我が党はソ連共産党のようにはなりませんよ、ということだと思います」とか、「共産党を通してでないと革命は起こせないだろうと考えています」といった記述に、そのことは如実に表れてます。
「ソ連共産党のようにはなりません」と思えば、ならないなんてことを本気で信じているとしたら、それはあなたのお好きな「科学」ではなく、もはや「宗教」でしょう。
chuntaさんもご指摘されているように、マルクスは一度も「科学的社会主義」なんてことを言ってません。
「言った」と主張されているのはJ.D.さんのほうなので、検証責任はJ.D.さんにありますよ。
それに、高校の教科書でマルクスを学ぶのですか、マルクスの原典や研究書でなく? ずいぶんおかしなマルクスへの接近法ですね。
「科学」という言葉の定義の問題。
私は「(現代日本)社会の」科学観を問題にしているのであって、「私の」科学観を言ってはいません。その点をまずきちんと認識してください。
それで、あなたのような「科学」と「技術」とを分けて、「科学」のほうは無垢できれいなものとする考え方自体がいまの時代ではナンセンスになっているのです。
「科学」は「技術」と一体化し、「科学=技術」として受け取らざるを得なくなってしまっているところに、20世紀末現代の「科学」のもつ問題性がある、というのが一般的な理解ではないでしょうか?
マルクス思想を「科学」というのは、スターリン主義によって神格化されたものであり、マルクスの実体とは無縁の考え方です。むしろマルクスへの誹謗だろうと思いますね。
なお、「AERA MOOK」の「マルクスがわかる。」(これが正式名称でした)がどうしてもない、とのこと。
私が購入して現に手元にあるムックを「ない」と苦情言われても困ります(笑)。大きな書店ででも注文されたらよいかと思います。朝日新聞社発行、ISBN4-02-274103-1 です。