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「組織論・運動論」討論欄

美浜に労働組合を!下請け労働者を組織せよ!

2004/08/24 老学生 60代以上

「美浜原発3号機事故で、関西電力のずさんな管理体制が次々と明らかになって いる。効率化追求の経営の陰で安全性が置き去りにされたのは間違いなく、その代償 となった死傷者十一人はいずれも地元の孫請け作業員だった。電力会社の顔色を気遣 う原発立地地域の”序列社会”の中で、出入りする下請け業者は「結局、犠牲になる のは現場の人間」と声なき声を上げている。」(http://www.fukuishimbun.co.jp/mihamaziko/framepage.htm 8 月13日付け。見出しは「「犠牲は現場の人間」 声上げぬ下請け業者電力会社は” お客さん”」)
 どこの職場でも、実際に危険な仕事をさせられるのは下請けや派遣の労働者である ことが常である。大企業は検査で機械や装置を止め、超過利潤のごく一部を減らすく らいなら、検査などはしないほうがましだと思っている。事故が起きれば起きたとき のことだ。資本家にとっては、事故が検査である。いざ起きたら、それから同じ事故 が起きない対策をとれば世間は納得する。資本家はこう考える。
 10年ほど前、私は美浜へ行って当の原発を見学したことがある。その時に、福井原 子力センターだったと思うが、「徹底的に対策をとっているから、事故が起こること はない」という説明を受けた。それは「同じ事故を繰り返すことはしない」という意 味だったにちがいない。現に、以前に起きた事故の破損部分が発電所の中に展示して あった。しかし、こんな「対策」は、資本にとってはいちばん安上がりな見せかけに すぎない。あらゆる可能性に備える事前の対策を「節約」して、事後に特定の可能性 に絞った対策をとる。だから、同じ事故を繰り返すことのないようにという意味での 対策はされている!これで多くの人がだまされてしまうのだ。新しい労働災害は常に 起こりえる。資本主義社会の労働は搾取が目的だから。搾取強化のための下請けや派 遣の労働であれば、その可能性はさらに高まるのが当然の論理である。
 超過利潤の制約を受けない監視となれば、労働者階級の立場に立って行うしかない。 しかし、それは労働者階級の組織、労働組合がなければ不可能である。下請け労働者 に矛盾がしわ寄せされていることを指摘するだけではダメだ。それだけでは、労働者 階級の党の態度ではない。党がなすべきことは、この矛盾の集中点にある労働者を真っ 先に労働組合運動に組織することである!仲間が犠牲になった美浜の労働者たちの心 は、党の真摯な説得力ある呼びかけがあれば必ず揺り動かされるだろう。党は、事故 の原因を解釈してみせるだけで事たれりとしていてはならない。
 「小浜市、三方町、上中町に住む遺族たちを記者が訪問すると、「共産党とうちは 関係無い」「共産党に来てほしいと言ったわけじゃない」と一様に玄関でけげんな顔 をされました。しかし、焼香をさせてもらいました。遺族は遺影を前に「匿名で」と 重い口を開いてくれました。」8月19日(木)「しんぶん赤旗」情けない現実だが、こ こが出発点である。
 それにしても赤旗の記者が労働者の仲間たちと話をした形跡がないのはなぜか?
 いったい共産党は、労働者の組織化を本気でやっているのだろうか?今回の事故を めぐっても、「しんぶん赤旗」にはこの角度から論じた所がまったく見あたらない。
 もしも労働組合があれば、労働者を守る立場であらかじめ起こりうる危険を指摘す ることができる。会社の採算(超過利潤)を守るのではなく、自らを守るために、労 働者が殺されないため、怪我や病気にさせられないために。
 こんな当たり前のことにさえ、今日の共産党指導部は鈍感になっている。革命は大 衆が行うものだという基本的な認識が欠けているのではないか。大衆は戦いを経験し ながら、さんざん失敗してはそこから学んで、鍛えられて、最後には革命を行う主体 になる。そのくらいのことなら知っているって?知っているのなら、共産党指導部は、 大衆が自ら動き出すのを恐れて、自分が大衆の行動を呼び起こすのを意識的に避けて いることになる!レーニンがそうであったように、指導者が(自分の身の安全を二の 次にしても)革命的な態度をとるならば、大衆はそれに呼応する。そのことを恐れて いるのだ。特に労働組合運動の指導者が育っていないのは、共産党幹部の右翼的議会 主義が長い間にわたってもたらした大きな弊害である。