投稿する トップページ ヘルプ

「組織論・運動論」討論欄

過去の重大過誤を清算できぬ者は仲間外れにされるということ

2004/10/18 人文学徒

            原水禁運動に関わって12日付けで、以下の意味の投稿があった。「日本原水協の 提案だからだめとか、日本共産党が過去を総括しないからだめとかの意見には反対で ある。今後に向った分裂の克服こそが問題であり、過去にはこだわらずにこれを考え あいたい」と。しかもこの提起は、6日付け「さつき」さんの「82年の統一大会、 84年の日本原水協幹部粛清事件、86年再分裂大会」という歴史的経過説明の後 に、これを踏まえてなおなされたものだけに見過ごせぬ問題を含んでいると考える。 過去に起こされた間違いの性格、その大きさというものをはっきりと描くことで反論 としたい。
 原水禁運動の最初の分裂原因、「いかなる国の」問題や、さつきさんが示された歴 史的経過は以下のようなことを含んでいると僕は考える。?日本共産党は、参加した 運動団体に「独自の見解」を通そうとして、これを分裂させ、長い混乱を生むことが ある。?こういう時に、党見解に従わない党員の運動幹部を粛清してでも、これを強 行するということがある(こういう粛清にはかならず党規約上の「民主集中制」、 「分派禁止規定」が適用される。また、幹部粛清があっても、目に見えた組織分裂は ないということはありうる。下部組織に事実が知らされなければ、「幹部の分裂、粛 清」にしかならないからだ)。 ?こういう性格を持った日本共産党の行動は原水禁 運動にとどまらず、他にも多くあった。大きな実例としては民主主義文学同盟幹部粛 清事件、民青同盟新日和見主義事件(この団体規約に「党の指導を受ける」と明記し てあっても、多数の「幹部粛清」にまで至ったという事柄の性格は同じものである) があるが、こういう出来事は全国的な大きい運動の多数の幹部党員が党中央に抵抗し なければ表面化しないという性格を有しているところから、「党の大衆運動干渉、破 壊」についての氷山の一角と思われる。
 さて、こういう性格を過去に示している日本共産党ないしは党員の要求運動団体参 加については、周囲が「構えてしまう」ということが起こっても当然ではないだろう か。団体を引き回し、混乱させ、分裂までさせるということなのだから。しかも、党 の組織原則、民主集中制は党外には適用されずとも、党員にはいつでも適用できるか ら、団体幹部に複数党員を抱えたような所は常に団体外から問題をつきつけられると いう、そういう性格の、大きい信用問題なのである。「過去の重大過誤を清算できぬ 者は仲間外れにされる」、そして「一度失った信用を取り戻すのは大変なことだよ」  というのは、当たり前の市民道徳だろう。日本共産党には、過去の一つ一つのこう いう誤りについて、堂々と、かつ美しく処理して欲しいと願うものである。その処理 が終ってさえ、「信用されるか否かは、今後の行動にかかっている」というのが、こ れまた一般市民の常識というものではないか。なお、この問題は、意外なほどに根が 広い性格を持っていると考える。「草の根のひとり」さんには拙稿、「組織論・運動 論」9月16日付けの論文へのご批判を是非お聞きしたい。