あらいぐま さん、はじめまして。
ぼくは選挙大嫌いで、もっぱら学習参画だけしている「変わり者」です。そしてかれこれ12回以上にわたる「入党お誘い」をお断わりしてきたという点でも変わり者青年です(苦笑い)。言わば“不適格青年(党支持者)”ですね(;^^)。
さて、あなたの文面から真摯な人柄が漂ってきます。いずれ入党を考えているとのことですが、あなたのように「自発的に」、そして純粋に知的なアングルから共産党に関心を持たれる(あるいは持たれたのであろう)人がもっともっと増えてくれることを祈りつつも、ここで沈思黙考というか、静かな環境で熟考してみることを薦めます。なお、あなたが「いずれ入党したい」という期待にここで水をさしたり妨害する気はさらさらないことだけは理解していただきたいのです。
共産党や革新政党に関心をもつきっかけは人それぞれではないかと思います。ぼく自身は14~15歳ごろから旧社会党(現社民党)支持で来たのが「自衛隊・安保合憲」にくら替えした村山政権(当時)を契機に無党派になりました。今では異論派の共産党支持者だとの認識で一応います。
あなたも憲法改正(条文改悪!)や軍国主義再来の危険な政局に当然、反対のはずです。憲法第9条第1項と2項に関して、無意識のうちに解釈改憲にはまっている人を、いままでけっこう見てきました(話すとすごく長くなってしまうので、いずれ稿をあらためて詳述したいのですが。)不破議長らが唱える「有事の際の自衛隊活用合憲論」ひとつとってみても、ちょっとでも憲法のエッセンスにまじめに親しんできた人なら「それはおかしいぞっ!」と不信感を持つはずです。緒方国際部長らの言う「対北朝鮮経済制裁やむなし」論への“転向”にしたって「なぜ今になって右ウィングに色目を使うのか!?」と怒りを持ってほしいのです。
ところが、民青に入るとイヤでも気が付くはずですが、なぜかほとんどの同盟員は「非武装」という言葉を使いません。党推奨文献の中にも「非同盟中立」という決まり文句はウンザリするほど出てきましたが、「非武装」はまったくありません。
試みに、彼らと議論してみることを薦めます。「党の高位に在る誰それさんが言ったことだから正しい」と言わんばかりの演説好きなリーダー格がたいていいるはずです。あなたなら健全な批判的精神を持っていると思うので、党のつまらない権威主義に依拠せず戦後憲法学の正しい理解に立脚した冷静な討論を彼らにぶつけてみることを薦めます。
ぼくの経験したかぎりでは若干の例外を除き「必要最低限の武装は必要悪」だという共通認識で妙に納得しているようです。ぼくはいまだにこうした体質は馴染めません。平和主義を看板に掲げながら一方で「部分的な軍隊は残す」。これなど「科学」的に考えるまでもなく矛盾ですよね。こういう点が、不破議長をはじめ党中央が――戦後立憲主義の学問的な到達点をきっちりととらえていない――と複数の良心的憲法学者から批判を受ける所以ですし、右翼や悪意的反共主義者からツケ込まれる原因ではないでしょうか。
ぼく自身、物心ついた頃から『はだしのゲン』などを教材として平和教育を受ける機会に恵まれました。今にして思うと決定的な「良性トラウマ」としてぼくの憲法観の下地になっているのだと明瞭に自覚できるようになりました。原水協・原水禁への不幸な分裂といった変なセクト主義はいまだに嫌いですが、民青に好意的ではない外部の青年有志らにも声をかけ、説得したり、憲法や平和を本音で語り合ったりするよう微力ですが意識しています。そういった彼らを護憲派にシフトさせるのは必ずしも容易ではないのですが、事の重大性に気付いてくれる人は必ず居ます。
シール投票のような大衆イベント形式を通じて彼らの本音を聞くのは、意外に有意味ではないかと実感しています。まあその後の反省・分析作業もそれに劣らず不可欠なのですが(“総括”ではダメ)。
どこの政党にも属さない青年の中に、自由闊達な精神の持主が探せばいるものですよ。ぼくの抜きがたい性癖(恥ずい!)かもしれませんが、「党の権威筋の言論とその実際の行動の矛盾」に対し、普段からそれとなく敏感になってみましょう。そして自分の問題関心・問題意識(プロブレマティーク)、人権感覚を明瞭に持ち、「これはおかしいんじゃないか?」と感じたことを遠慮なくメンバーにぶつけてみてください。
できれば、「親子党員ではない党員」と友達になることを薦めます。これは長くつきあうなかで実感できるかもしれませんが、たとえば「家族や近くの学生党員から薦められるまま何となく党員になった」という人と「親は創価学会員だけど、オレは共産党に共感したのでこっちを選んだ」という自覚的な人とでは、やはり後者の方が人権や平和に関しても自分の頭で考える癖がついているなあと感じるからです。誤解しないでもらいたいのですが、親子党員だからみんなダメだと言うつもりはありません。
ちなみに、ぼくのところは法学系大学院志望者(彼は経済学研究科修士卒)が1人加盟してきたので、ディベート好きな彼との密度の濃い学習が今ではとても楽しみです(^^)。
あとそれから、さまざまな機会に選挙運動やビラ配りで協力要請が来るかもしれませんが、はっきり言って、やんわりとお断わりしたほうが賢明でしょう。ああいう類いは下働きが少なくないですし、キリがありません。「労多くして実り少なし」を実感する、というのも理由ですし。
もしそれでも引き受けたくなったら、事前にシッカリと防衛教育を施してくれるよう、最寄りの下部党機関に相談や要求をした方が良いと思います。これは大切です。言うまでもなく、公安などからの「不当な人権侵害」を防ぐためです。38万人も党員が居るのに「個人向けの防衛教育」を党が施さないで良いというのは、人権面ではもとより、社会通念上、許されないはずです。真剣に丁寧に相談・要求すれば無視されることはないと思いますよ。とはいえ、ビラ配りは協力しない方がやはり無難だと思います。あなたがまだ現役の学生であるなら、なおさらだと思いますね。
ここまでつらつら述べてきました。
くどいようですが、入党をあせる必要はないはず。まず、最寄りの民青を気軽にのぞいてみてはどうでしょうか。行政区の違う隣接の郡市町村にも民青がある場合も、門を叩いてみて事情を話せば中の雰囲気を体験することぐらいは融通が利くと思います。自分のいま最も興味のある分野が用意されていたら幸運ですね。興味が湧く分野がもしなければ、無理に合わせる必要はないはずですよ。
同盟員間に笑顔があるかどうか。言論の自由・異論交流の自由はあるか(なぜなら、タブー有るところデモクラシーは有り得ない)。個人的な悩みを打ち明けられるか。異性同盟員は居るか(オット!失言。あっ、ぼくも好きな人居ますが同盟員内も党内も性交はご法度ですよ(;^^;)。隣県でのセクハラ除名情報はかつてはよく聴かされたものです)。そこでもし大きな距離感を感じるようならあなたの良心と相談して、どう決断しようとそれはあなたの自由です。
寝不足の「うつらうつらモード」で執筆したためか、文脈不統一、多分、なんらアドバイスにも何にもなっていないとは思いますが、スミマセン。ここまで読んでくれてありがとうございますm(__)m。
それにしても、まだ未成年なんですね~、可能性が無限に開かれていることを祈ります。