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「組織論・運動論」討論欄

新社会党との共闘を巡る本質問題

2006/02/17 杜魯月 20代 学習塾講師

 新社会党と部落解放同盟(「解同」)との関係、共産党の「共闘」拒否を巡り、様々な意見が寄せられている。参考になる意見が多い(中には、議論に熱心なあまり、ややヒステリー的に論議が迷走している方もいるが...)。
 いずれにしても、他の方の意見のエッセンスは大いに参考にさせて頂きながら、ここでは、新社会党と「解同」との関係に絞って議論を深めるのが愚意です。

【小森龍邦と「解同」広島】
 「部外者」氏より、本件を考える上で大変有用な教材のご提供がありました。「解同」広島のサイトですが、未だ見ていない方は、是非、ご紹介のあった http://www.kaihouhiroshima.org/ をご覧下さい。注目は、<教育問題>、<本の紹介>の各欄です。

 まず、<教育問題>欄ですが、ここを開いた方は、”自死”と言う文字の羅列に目を奪われる。異様な光景である。曰く、”石川敏宏ー世羅高校好調の自死について”、.....などなど。”自殺”と言わず”自死”と言っているが、”自然に死んだのであり、「解同」に追い込まれた末の自殺では無い”とでも言いたげである。 犠牲者の多くは校長や教頭などの管理職である。君が代・国歌斉唱を「差別」の視点から糾弾され、追い込まれて行くのである。こうした先生は、思想や立場は違うが、教員組合からも、共産党からも守られず、教育委員会からは命令され、一旦、「解同」の攻撃に曝されると極めて弱い立場の社会的弱者なのである。この「解同」の教育界支配の石杖を築いたのが、かの小森氏です(彼は、「解同」広島の大功労者で、現在も、大きな影響力を持っています)。

 あまり「事件化」しなかった物で、比較的知られているのが”福山加茂中事件”でしょう。この時は、栗原氏(現委員長)が、国会で、被害者の先生を「君が代・国歌斉唱支持の右翼教師」として問題化し、”新社会党と「解同」が連携して、先生を追い詰めた”と地元ではつとに有名な事件。

 次に、<本の紹介>欄を見てみましょう。”フッム~”、なんと小森龍邦氏の著書のオンパレードではないか! ”わが回想の記”、”宗教と人生”.......。小森氏と言えば、宗教にも造詣が深く、親鸞の悪人正機説を評価しているが、一方で、教育界同様、自分の意に適わないお寺さんは猛攻撃の対象にされている。
 さて、この小森氏、今は、「解同」広島の顧問に納まっている。
 「解同」書記長→新社会党委員長→「解同」顧問、....。
 これをどう表現したら良いのでしょうか? 警視総監→自民党議員→警視庁顧問とくれば、我々は、これを癒着とか一体とか密接な関係と呼ぶのでは無かろうか?

【”週刊新社会”は「解同」刊行物?】
ひょうご部落解放・人権研究所のサイトを見てみましょう。
http://cgi3.osk.3web.ne.jp/~blrhyg/cgi-bin/tosho/html/chikuji_200506.html

 ”週刊新社会”が「解同」の刊行物として案内されています。
 つまり、”週刊新社会のお申し込みは、「解同」へ”と言うことですが、党員/同盟員のオーヴァーラップ、財務を含む組織の一体化が見てとれます。

【他党との関係】
 共産党を除く全ての党が、自民党から新社会党まで、彼らの大会に、友好の証に、揉み手で代表を送り込んでいるのが実態です。自民党から、果ては「反スタ」左翼までが、エールを送っているところに、「解同」と言う団体の本質を垣間見る。この点、共産党だけが、「解同」にキッパリと”ノー”を突きつけ、勇気ある闘いをしています。

 そこで、当然、社民党とは共闘出来るのに、何故、新社会との共闘は拒否したのか?と言う疑問が出てきます。”「解同」とは、 皆関係あるじゃないか!”と.....。この点に関しては、私の意見は以下の通りです;

(1) まず、人事面、組織面、での一体とも言える関係(広島や兵庫の例で説明した様な...)。
 例えば、ひょうご部落解放・人権研究所が、「刊行」しているのは”週刊新社会”だけで、社会新報は刊行していない。政治的「交流」レヴェルと、「一体」とでは決定的な差でしょう。

(2) 綱領で名指しで共産を批判しているのは新社会だけです。
 民主党も社民党も、綱領上で共産批判はしていません。
 自民党ですら、「革命を標榜する...」と言う表現に止まり、共産名指はありません。しかも、<社会的弱者や少数の差別に苦しむ人より党の利益を優先する体質...>と言った表現で共産党を綱領上で批判していますが、これは、明に「解同」と共産党との歴史を意識した表現でしょう。
 綱領上に特定の政党の批判を盛り込むと言うことが如何に重たいことか? これで「共闘」とは、共産党破壊を標榜していながら、”共闘してくれない共産党は分裂主義”と珍妙なことを言っている「反スタ」派と50歩100歩であろう。

(注意)
部落解放同盟に対する、日本共産党の呼称は、しんぶん赤旗でも、前衛でも、部落解放同盟(「解同」)、又は、「解同」で表現統一しております。私の党派性は明確にしており、呼称は、当然、日本共産党の統一表現に準拠させて頂いております。