「バカの壁」...。養老孟司のベストセラーなので、読まれた方も多いと思いま す。養老によると、「話せばわかる」と言うのは大嘘なのだそうである。彼の大学教 育の経験では、理解の浅い学生ほど、安易に「質問」して来るのだそうだ。厳然と 「バカの壁」なるものが存在し、ある一定レヴェルの外にいる方には、幾ら話しても わからないと養老は断じている。
人間の脳は、Y = aX と言う単純な方程式で出来ていると養老は言う。xが脳への インプットであり、Yが脳からの出力である。ここで問題になるのは、同じX(情報入 力)をしても、人によって、必ずしも同じYが出力されるわけでは無い。脳係数 "a" が異なるからである。大抵の場合は、この係数"a"の違いは個人差のレヴェルで、共 同体の中で同質化されて行くが、中には特異な”a"もあり、全く「話しても分からな く」なるのだそうだ。例えば、イスラム原理主義者と米国のネオコン、の関係を想起 すれば分かりやすい。
さて、サロンの方々の指摘にもある様に、何かが欠落している投稿者の方もいる。 多分、この"a"が違う為、ご本人は、「皆分かっていて、そう思っているのは...さん だけ..」と言うのであるが、サロンさんを始め複数の異論が出ている現実も良く見え ていない様だ。
この”a”の違いを示す一例が、2004年愛知参議院の八田ひろこ氏を新社会党 が支持した件に関する議論である。
第21回党大会の中央委員会報告、”わが党は、新社会党とは、地域的に共同の条 件と必然性があるところでは、誠実に対応する方針をとってきました。....わが党は、 新社会党とは、地域的に共同の条件と必然性があるところでは、誠実に対応する方針 をとってきました。”と言う是々非々が、党中央の方針であり、愛知の例は、共産党 が新社会党と、地域的に条件と必然性がある所で共同して来た一例と思われます。
ところが、"a"が違うと、<へーそうなんだ。じゃあ愛知の例を説明してください な。>と第21回党大会中央委員会報告への反証としてこれを上げる方が出現する。 とんだ「バカの壁」でした。