野党のこれからについて、どう思うか?
ある人は政治は理屈ではない、雰囲気に乗って、分りやすい 言葉でという。
私などは、どちらかといえば、むしろかつての左翼が実際は 感情論に走りすぎており、むしろ、具体的なビジョンを掲げ、 議論を、草の根で人々と進めていくべきだ、と考えている。
ある人は、組織拡大をひたすら追及する。
しかし、実はどれも重要だと思う。
政治は理屈ではない、というのは、無党派の旋風を見るとそ う思うのも無理はない。しかし、それに頼りすぎるのは危険で あろう。共産党がかつて、無党派の支持を得た時代もあったが 、小泉自民党が出てきて吹っ飛んでしまった。
やはり、一定程度の理屈で納得してくれる人を増やすことが 必要である。そういう人が周りに又広げていく。その営為であ ろう。
しかし、単純な「党建設至上主義」でもこれからは駄目だと 思う。これは、大昔のロシア革命時代、文字も読めない人が多 かったロシアとか、そういうところでの話であろう。
どちらかといえば、今は、例えば増税反対とか、改憲阻止に ついて、自分の言葉で語る人が、緩やかに連携しつつ、自分の 持ち味を活かして、説得をしていく、ということだろうと思う 。統一戦線というより、連合というべきである。
一つの方針を押し付けるのではなく、それぞれのスタイルで やっていく。それが大きな流れを作っていく。江田三郎先生が40 年前、追い求めたが果たせなかった、そんな新しい時代の野党 の活動スタイルがいまこそ、求められていると思う。それが、 また無党派を引き付ける活動スタイルだと思う。
活動スタイルを改めずに、ムードとか、そういうことを期待 するのは余程、候補者が良くないと難しい。候補者が誰でも、 一定の無党派の支持を得られるような組織が必要である。しか し、その「組織」とは、従来型のピラミッド型ではなく、連合 型、水平型の組織である。統制委員会ではなく、調整委員会が 必要な組織だ。政党が無理に統一する必要はない。是々非々で 連携する組織だ。それが、たくさん出来たとき、日本の民主主 義に新たな地平が開ける。
また、労働組合は駄目で、市民運動だけが良い、とかそうい うのも一面的な見かたであろう。たしかに旧社会党のように組 合しかほとんど支持組織がないというのはいけない。
しかし、組合がなかったら、日本社会の右傾化はもっと進む 。暮らしは悪くなる。市民運動どころではない。一方、組合も 市民運動と連携して、運動に厚みを持たせないと生き残りは難 しい。視点をお互い広げることが必要なのだ。どっちが上だ下 だという議論は不毛である。いろいろあってよい。そんな度量 を持つことが、今、野党や護憲派の最大の課題であろう。
我が、社会市民連合のメンバーは、組合で役目を務めつつ、 市民運動でも尽力することを誓っている。双方を強くする好循 環を創り出すため、一丸となってまい進したいものだ。