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「組織論・運動論」討論欄

党は、用語表記の改善を---共産党用語小事典の発刊を 希む---

2006/07/10 Forza Giappone 青年

 今回、俎上にあげたい語群をまず掲げる。

 ■1:「・・・が「逆立ちしている」」「統一戦線」「党外 組織の党グループ(※1)」「大運動」「総括(※2)」「自 己批判」「確信がある・ない」「くびなが(※3)」「民主出 版(※4)」

 ■2:「リストラ(※5)」「サービス残業(※6)」「絶 対主義的天皇制(※7)」

 本当はもっともっと多いのだが紙幅と時間の関係上これのみ に止める。まず「■1」語群から。
 「(※1)」は、党規約後半部分などに散見されるがいまだ に意味が掴みかねている。党員青年に聞いても解決していない 難語・珍語のひとつ。
 「(※2)」は、「反省」の類義語かな? しかし非党員も 参加する○○反省会なんかではなにげに恐ろしげなニュアンス が感じられるようだが?・・・。
 「(※3)」は、隣市の議員さんに聞いて解決した。意味は 地方自治体の首長(しゅちょう)を音読みにした慣用表現だと のこと(聞くまではけっこう或る種の“勇気”が要った)。
 「(※4)」は、最初の頃は「民主党系の出版社なの?」な どと今となっては随分トンマな思い違いをしていたが、直轄の 新日本出版や、大月書店など共産党と親縁関係にある民主的な 出版社を指す、とのこと。

 次に「■2」語群。
 「(※5)」は、本当は随分と幅広い意味を包含する包括的 な単語なのだが、1990年代後半辺りから一般メディアが盛 んに頻用するようになった語である。照準を狭めて普通に「( 企業等による)解雇」「クビ切り」と言い換えるべき。ちなみ に英語圏で「リストラ」と発音しても全く通じないらしい。リ ストラクチュァリング。
 「※6」、これは1980年代ぐらいからメディアが盛んに 使うようになった。「タダ働き残業」させている企業側の罪責 感を軽減するために置き換えられたのではないか?と穿ちたく なるが、素直に「タダ働き残業」と言えばいい。赤旗や党議員 さんでさえ平然と使うようになっているが、やめてほしいもの だ。
 「※7」、これは憲法学上は「神権天皇制」と言うそうであ る。絶対主義的天皇制と書くと絶対王制を連想してしまう。

 ところで、瑣末な蛇足ながら、『みんしん』紙、それに『本 紙』における若者向けページとかを読んで感じるのは、俗語の 類いが全く見受けられないことである。
 各界でぐゎんばっている同世代(場合によってはもっと若い 高校生年代)を取材しているわりにはみんな言葉遣いが美しす ぎなのは、不自然だ。「ため語」の類いにお目にかかったこと がない。編集部員が削除・補正しているからなのかもしれない が? 別に彼ら彼女らのそのまんまの言葉を載せて全然かまわ ないと思うが。俗語に対し個人的に日頃好感をもっているか否 かはさておき、「萌えぇ~」「萌え現象」「フィギュア(※8 )」「コミケ」「○○○オタク」「シカメル」ぐらいは日常的 に耳に入るのだし、これも再検討を希みたい。
 取材対象の彼ら彼女らとその友達がすすんで読みたくなるよ うに、記者さんも編集担当も、《時代の空気》に敏感になって もらいたい(“前衛エリート感覚”はダメ!)、だけなのだ。
(※註):「(※8)」は、有名人・タレントや人気キャラな どを模した超ミニチュアサイズのレアな模型の類いの意味(ス ケート競技の荒川静香を連想してはいけない)。
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 数年間、2~3世代上の方々や専従を含め、党関係者・後援 会員と接してきて、党外一般市民にわからない(或いはわかり にくい・誤解を招きかねない)用語が相変わらず気になる。純 粋な党内の諸会議や党内反省会内でのみ使われるのであればこ んな苦情はナンセンスなのだが、民商事務所、民医連系診療所 、生活相談所、地区党事務所などには非党員の地元一般人も足 を運ぶ機会がままあり、その年齢層を問わず「共産党の使う言 葉は独特でちょっとわかりにくい」旨の声が時折りあるようだ 。
 何年か前のこと。何を勘違いしてかぼくを党員と勘違い(マ イッた!)した或るおばあさんは、「共産党版『広辞苑』とい うもんは無いだかねー?」と嘆いていた。そのおばあさん氏は 30年ぐらい前までは隣県の小学校で教鞭をとられていた方で あるが、『共産党用語小事典』なる発想にはナルホド、と共感 させられたものだ。民青中央委員会の常任官僚には総合事項索 引付きのものをぜひ前向きに検討してほしい。

 同世代専従者は、各セクションに配属された後、普段の党活 動を長く積み重ねるうちに、先輩専従者の頻用する党内用語( ?)が知らず知らずのうちに身についてしまうのだろう、と推 定する。見るかぎりでは選挙ラッシュ(ここんちでは2004 年がそうだった。)の洗礼を受けた後の青年専従者にその傾向 が顕著に顕現化しているように感じられた。「広義の職業病だ よ」、と自虐気味に語る人もいてなにげに複雑な心境に襲われ ることもある。

 党内用語は純粋な“身内”相互間で使われる場合は団結意識 を再生産・強化しうるだろうし、なんと言っても「通じやすい 」、といったポジティヴな面があることは否認するつもりはな い。だがそれが知らず知らずのうちに排他的・独善的なベクト ルで作用する負の側面を助長していることもまた真理ではない のだろうか?

 いわゆる業界用語なるものはほとんど、どの職種・業界にも あるはずだが、事が社会変革を標榜する党をめぐる問題?であ るだけに、ひろく対外的にスムーズなコミュニケーションが成 り立つのを阻害しかねない冒頭これらの用語は、党外者との対 話・意思疎通局面にあっては速やかに改善してほしいのである 。 やむを得ず使用する場合に備えてやはりさきの『共産党用 語小事典』の発刊普及策は講じてほしいと思う。
 7月初旬に終ったばかりの2中総だが、本紙別刷り版を一瞥 しても、会場からの発言にこういったプロブレマティーク(問 題意識)がなかったようでかなり残念だ、ということも一言、 付言させていただく。