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「組織論・運動論」討論欄

それでも社民、共産両党の協力・共同を切望する

2006/07/16 青太郎 50代 無職

 07/09付けPINKOさんの投稿によって、社民党 サイドからの共産党観を知ることができて興味深かった。その 一部になるほどと共感するところもあった。私も共産党の硬直 的な体質には、辟易する一人だが、ただそんなことを理由に民 主党の方にだけ関心を寄せる社民党にも「ちょっと困るな」と いう感じがした。

 本サイトへの多くの投稿者と同じく、私も風雲急を告げる憲 法改悪阻止のたたかいは、左翼サイドだけではなく平和を愛す る国民を広く結集してこそ奏功すると思っている。だからPI NKOさんのように、民主党の護憲派に期待をすることがあっ ても、それはそれでいい。ただ国会に議席を持つ政党で護憲を 党是としているのは社共両党だけだから、この二つの政党がま ず協力できなくて、民主党の良識派を引き付けるといっても、 はたしてそれは現実的だろうか、という思いがある。また社共 両党は国民に責任を果たしているとはいえないだろう。私のよ うにヤキモキしながら両党を見ている国民も多いのではあるま いか。

 民主党には旧社会党系の横路孝弘氏などが居り、確かに彼は 9条はこれからも必要だと言っている。だが民主党の党是はあ くまで論憲であり、国民投票法案には賛成の立場だ。今後、民 主党の護憲派と言われる人たちが、国会での改憲議論が煮詰ま っていく段階でその志を何処まで貫き通すことができるのだろ うか、或いはできるにしても、その前提は圧倒的に護憲の世論 が改憲世論を上回っている、そんな前提があってこそではない だろうか。

 では、その平和憲法擁護の世論をどうやって大きくするのか 。これは自然発生的に時を待てば形成されるというものではな い。社会全体の右傾化が加速する中、護憲の勢力による草の根 のたたかいが大きく広がることが必要だ。言い換えれば今ある 「9条の会」や「憲法行脚の会」などが、全国津々浦々にまで 活動の網を広げることだが、そのためにはやはり護憲を党是と する政党の協力共同する姿を、国民に分りやすい形で示すこと が必要ではないだろうか。

 例えば、福島代表と志位委員長が全国の主要都市の街頭で、 直接国民に向けて、一緒に熱く平和憲法擁護を訴えているとこ ろを想像して欲しい。国民はどれだけ勇気づけられることか。 「9条の会」も「憲法行脚の会」もどちらの運動も加速するに 違いない。マスコミも注目するだろう。共同行動、統一行動に 発展するかもしれない。民主党などの護憲派の人たちにも影響 を及ぼすことになるかもしれないのだ。

 ところで少し話しは飛ぶが、本サイトでは平和共同候補を支 持する声が高いし、私も基本的に賛成だ。だが、護憲政党の結 集または支持の条件はあるのだろうか。共産党は既に否定的見 解を発表しているが、社民党は党としてどうなのだろう。結局 のところ目的は議席奪取だから、政党が関わるか、関わらない かは運動が成功するかどうかの決め手になると思うのだが。も し、社民、共産両党が乗ってこない場合、どんなシナリオが想 定されているのだろうか。私はそれについて何もしらないから 判断を下せないでいるのだが。

 思うに、運動は多様であっていい。だから平和共同候補の運 動も前進してもらいたいと願っている。しかし、それ以上に護 憲政党間で、院内外における協力関係をつくるのが、目下の急 務ではないだろうか。繰り返しになるが、二つの政党が共同し て国民へ護憲の決意を示し、そろって運動への結集をアッピー ルする、このくらいのことができなくて平和の政党と言えるの だろうか。

 とは言え、社民党首脳部がもしPINKOさんと同じような 共産党観をもっているなら、政党レベルの共同はとても無理だ と思わざるを得ない。今年1月の社民、共産両党会談でせっか く良い方向を向いたと思った両党関係は、その後何の伸展もし ていないようだから、残念ながら私の願望は潰え去る運命にあ るのだろうか。

 折りしも最近、共産党志位委員長は第2回中央委員会総会で 選挙へ向けて全党へ檄を飛ばしたが、私の印象ではやはり内向 き思考に力点がおかれていた。外へ向けて打って出るダイナミ ズムはまったくと言っていいほど感じられなかった。極端な言 葉で言うと、志位委員長は共産党が壊れても構わないくらいの 覚悟と構えで、平和憲法を守るために、志がある誰とでも共同 してたたかう意思を内外に鮮明にすべきだった。そうであって こそ共産党の存在意義を国民に印象づけられるし、党員も心の 底から奮い立つ、と思うのだ。だが相変わらず党利優先、目先 の選挙対策と組織固めに全てを収斂させていた。いつもながら 了見はお話しにならないくらい小さい。これでは党員も元気に なるはずない、と思った次第。

 しかし、失望してはいられない。私は声をからして両党へ訴 えたい。小さな政党が前提抜きに違いを乗り越えて協力への一 歩を踏み出さなければ、敵を利し今度こそ決定的に国民から見 放されるだろう、と。その時には、この国はもう手遅れかもし れないのだ。