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「組織論・運動論」討論欄

2006広島除籍事件について

2006/07/27 音重子 30代 給与生活者( 連合系労組役員、社会市民連合代表幹事)

 音です。Forza Giappone さんに対してレスです。

 被除籍者のA氏は私の社会市民連合の仲間です。
 ただ、彼も党首である私には、多くは語ってくれません。
 わたしは人間は老若男女それぞれ、考えをもった「一国一城 の主」とみなしていますので、あまり込み入った話を聞く事は しません。
 ただ、彼が自主的に話してくれたこと、そして、周囲から漏 れ聞いた話を綜合します。

 ある職場支部に所属していたA氏は、「平和への風」に名を 実名で連ねていました。(一度は2004年参院選でのセクト主義 に呆れて離党したがその後復党。)

 また、自身のHP上で、共産党と他野党の共闘を訴えていまし た。
 A氏の評判は、党外では良かったようです。常に共闘を求め て進んできた彼。私と同じく連合系労組の役員を勤める立場で 常に、革新共闘を求めてきました。

 連合労組役員、そして、無党派の市民団体役員も勤めました 。
 職場では平和学習会の講師も勤めるなどの人気でした。
 民主党員、社民党員、新社会党員からの人望も篤い人でした 。
 国民新党支持者の間でも彼の文章には、根強い人気がありま した。

 その彼が、県北から県東部へ転勤となり、その先の福山青年 支部への移籍を申し出た後です。申し出の後も一ヶ月以上連絡 がない。
 どうも、移籍先(東部地区委員会)の地区委員会が、彼のHP を見て、これは支部会議に参加してもらうわけには行かないと いうことになった。彼の身分は宙に浮きました。

 そして、5月17日、突然藤田尚志県委員会書記長(広島県知 事選候補者でもあり、名前は出ているので良いでしょう。)か ら電話。
「このままでは党員としての資格が危うい。話を聞きたい」
という。
 Aさんは「私は、8月の平和関連行事などの準備でバタバタし ている。会える時間がない。」
 Aさんは、年老いた祖母と同居。介護のこともある。組合活 動もある。そして、複数の無党派市民運動役員もしている。と てもでないが時間がない。
「ではこのまま危ういことになる」と藤田書記長は脅す。
 仕方がないので、19日の金曜日、彼は、福山市内の喫茶店で 藤田書記長と会うことになります。

 藤田書記長は、彼のホームページをプリントアウトした束を 突きつけ
「党と違う見解を公表したらいけない。党員の資格を失う」
といいます。
 A氏は「しかし、私の考え方はこれでやってきた。共闘主義 は、根強い人気がある。路線変更は人望を失う。」
 藤田氏「それでは国民に責任を持つ党になりえない」
 A氏「組合で平和学習会などをすることもある。無党派市民 運動でもだ。そのときは組合方針に従い、党と違うこともある 。それもいけないのか?」
 藤田氏「なら講師など引き受けなければ良い。」
 A氏「そんな。。」
 藤田氏「ホームページを削除するのかしないのか。する約束 なら実行を確認する。しないなら除籍の手続きをするのみ。」
 A氏「共闘を言うのが悪いのか?」
 藤田氏「党の見解と違うのだから。大体、社民党も民主党左 派も共闘のつもりはない。草の根で護憲派を増やすほうが良い 。」
 A氏「そんなことはない。共闘を望む人も私は知っているし 、変わりつつある。」
 藤田氏「むろん、永久に変わらないとは言わないが。。それ はまた別に議論しよう。とにかく削るか削らないか」
 A氏「私は、憲法改悪と増税に反対する人を増やすことを目 指して、頑張ってきた」
 藤田氏「それでは駄目だ。党員と赤旗を増やすのが党の目的 だ。護憲ではない」(←さっきと言ってることが矛盾してます 。)
 しばらくの沈黙の後、
 A氏「削るわけには行かない。私の信用に関る」
 藤田氏「じゃあ、除籍手続きを来週明け取ります。これであ なたの意見を聞き 手続きしたことにします。」
 文書も何もありませんでした。

 A氏は、かんかんでした。
「こんな政党、首になってせいせいした!」
「これじゃあ、組合活動も市民運動もできやしないではないか ??ええ??選挙共闘をこっちが主張すれば「草の根が大事」 、草の根が大事といえば、「党員と赤旗増やせ」だと?ふざけ るのも大概にせいよ!」
「くそ。これじゃあ、共産が民主にやられるのは仕方がないな 。マスコミが財界がなどと悲憤慷慨しても俺は知らん。自業自 得だ」

 ぶっちぎれた彼ですが、今は、三井マリ子さんの「館長雇止 め・バックラッシュ訴訟の支援」
 に生きがいを見出しているようです。
「非正規雇用労働者の底上げ、そして女性の底上げ。これと俺 の持論の積極財政と経済成長、格差を縮小する日本型システム の復活を組み合わせる。俺の持論に女性の賛同を得るためにも 、命がけで闘わないといけない」と闘志を燃やしています。女 性が多い支援者の中で、若い男性は珍しいのですが、奮闘しま くっているようです。彼は、自分の一生を男の立場から、女性 の政治進出に捧げることを決意したといってくれました。そし て夏の平和関連国際会議の準備に大忙しのようです。

 一方、政治的には、共産にあきれ返り、今はどっちかという と民主党護憲派という感じのようです。「民主党でいいじゃん 。相原久美子さんでいいじゃない、参院比例は。選挙区も余程 タカ派でなければ女性の民主を推すよ」ということ。むろん、 社民党、国民新党にもエールを忘れません。「女性をどんどん 出して、変わって欲しいね、両党とも」と期待満々。彼は共産 党を首になって充実しているようです。

 しかし、共産党のことはぼろくそです。「唯一前衛党論捨て なきゃ駄目駄目。」「あいつらが引き回している組合は全然駄 目」など手厳しい。

 共産党は、民主や社民の票を共産に回せるような貴重な人材 を斬り、逆に民主を勢いづかせたようです。

 「俺も、NOWAR NODUの6000人の人文字の呼びかけ人として 、共産と社民など枠を超えた結集に努力した日が懐かしいね。 でも、俺の言うことを聞かなかった共産党は衰退した。聞く耳 を持たない党は駄目駄目。むしろ聞く耳を持つ民主、社民に意 見言った方が効果的。」とバッサリです。

 私は、日本共産党広島県委員会の体質にあきれ返っています 。今度の参院選でも勝ち目のない泡沫候補を早くも擁立決定。 あああ、今度は供託金没収間違いなしと地元でもっぱらの噂で す。

 2003年市長選で秋葉さんを間接的に推した(田中康夫方式) のは良かったが今は本当に駄目です。セクト主義の塊。かとい って、「九条の会」では目立とうとするし。最悪です。連合・ 原水禁陣営と共産党の回路は彼の除籍で断たれました。

 もし共産党に統一戦線をやる気があるなら少々のことがあっ てもかれを泳がしておくべきでした。まったくその程度の度量 もない党に成り下がった。

 そういえば、外国からきた政治家が彼といろいろ話したので すが、彼が「自分の意見を言ったら首になった」というと「The party is wrong and you are right (党が間違っていてあなたが正しい)」ときっぱり返事。その とおりだと思います。

 江田三郎先生、三井マリ子さんを生かせなかった社会党。A 氏を生かせなかった共産党。滅び行く政党とはそういうものな のでしょう。いろいろ抱え込める民主党の興隆もまたむべなる かな。これからは、ゆるやかな政党にしていかないと駄目でし ょうね。そして議論を活発化させる。それしかないですね。