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「組織論・運動論」討論欄

なぜ左派が協力できないかについて

2002/5/24 桜坂 智史、50代

 「地域経済分科会」さんや「真実と和解委員会」を提唱した国忠さんの提案に共鳴するものがある。
 さりながら、地域分科会さんがいうようには、左派の団結は成らないかもしれない。団結と統一とは、似ているが別個の概念である。共産党の団結、左派の統一候補のように使用するべきだろう。
 そしていま求められているのは、団結や統一ではなく、いかに相互の違いを認識しつつ、互いの相違を許容しつつ協同できるのか、という「協同」概念にもとづく相互の連帯だろう。
 その点でも、国忠さんが南アフリカ共和国の民族和解の歴史的事例をもとに提起したプランは、意義深い。元共産党中央幹部をつとめ現在引退されているかたは、面白いがそれはあまりに複雑で怪奇なものにならざるを得まい、と感想を述べた。
 実際に共産党中央の権力闘争を垣間見た実践家からすらば、それはユートピア的と感じたのかもしれない。
 しかしながら、それでも、いまこの国の政治がおかれている状況は、そのような画期的な段階を要請している。共産党のいっそうの民主的改革と、さらに共産党を前衛とせずに済むだけの市民運動や大衆運動の新たな画期。
 これを実現するうえで、私も1980年代の原水協問題はかない根本的な要素をはらむと考える。
 ここには、政党と市民運動、共産党と知識人、国民的高まりと指導的存在のありかたまでもが問われる事態だった。
 なぜ左派が協力できないか、それもそろそろ解決を迫られている時期を迎えている。この問題がいまも解決されぬなら、いよいよ日本にアメリカCIA追随の本格的ファシズム政権がたちあがろうとしているからだ。
 質問や疑問から、その問いを解決せねば、日本政治はいよいよゆきどまりのどっちらけ状態を迎えつつある。