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「組織論・運動論」討論欄

広島市長選と日本共産党

2003/1/8 桜坂 智史、50代

 今年は統一地方選挙がおこなわれる。私は日本共産党に感心したことが、ひとつある。
 それが広島市長選への方針である。今現在の市長は、社民党国会議員から転進した秋葉市長である。
 以前、市民球団広島カープの名将として、球団をセリーグで優勝させ、日本一にもなった古葉監督。彼が次の市長選にに立候補を表明している。野球ファンは多いし、広島東洋カープはもともと広島市民が育てた市民球団である。

 もし、古葉氏が立候補して、現職と対立して共産党から立候補すれば、共産党の党勢を拡大したり、独自の政策を表明はできるだろうけれども、三者三つ巴となれば、護憲平和を願う支持層は分裂して、漁夫の利を得るのは誰か自明のことであろう。

 今回、日本共産党がとった政策方針は、大きな意義がある。秋葉市長を支持する多くの市民、共産党支持層、それに加えて革新ばかりか広く無党派層も、誰に入れても同じと思い込んでいたひとたちも、大きな円卓を取り囲むかたちで、平和と核廃絶を願う住民の願いを結集できるだろう。

 かつて長崎市の本島市長は、自民党支持層から立候補して当選した。そして本島市長は、毅然とした態度でご自分の意思を表明されたばかりに、暴力集団によって重傷をおった。
 彼のように保守主義者でも、いざとなれば良識と見識から左翼でさえいえないような国民主権の原理を表明する勇気ある人物だった。

 いま広島から発信する「新しいかたち」の政治スタイルは、原告各地の自治体で静かに広がりつつある、多数派政党本位の都合による政治の空洞化現象に対して、多くの民衆の進歩保守を問わず、世界平和についての日本国民の識見を表明する重要な問題提起となる。

 現地の共産党組織と広島市民の見識に敬意を表明しつつ、ご健闘を期待している。