2.「反党的分派」と「そうでない分派」について
「反党的な分派」と「そうでない分派」の基準(指標)がはっきりせず、その決定が容易でない以上、いったん分派を認めれば結局は際限なく認めざるをえないのではないでしょうか?もし「反党的な分派」となった場合、どうするのですか?だいたい、分派そのものを容認するならば、良い(「そうでない分派」)も悪い(「反党的な分派」)もないのではないでしょうか。『さざ波通信』における「誹謗・中傷」の投稿は、掲載しなければそれですむかもしれませんが、党内における分派はそういうわけにはいかないでしょう。
3.分派容認と党に規約について
『さざ波通信』は「党内のルール(*分派禁止)に従って、分派を結成しない」が「現行規約を批判することは当然認められるべきです」といっていますが、党の方針や規約に対する明確な反対意見をこういう形で党外に訴えること自体が分派としての動きになるのではないでしょうか? (以前も書きましたが)また、国内における法律の例を出していましたが、ここでも国家のあり方と党のあり方の混同が見受けられます。国家は、そのあり方に賛同している者だけで構成されているわけではなく、憲法や法律に対しても、さまざまな考えがあって当然です。それに対して政党は、その綱領や規約を原則的に認めた者だけで構成されているはずです。もともと構成の要件が根本的に違うのですから、国家における法律と、政党の規約に関しても同じように扱えないのは当然ではないでしょうか。
また、現在の日本共産党の規約がスターリン時代のものを踏襲しているといわれますが、そうではなく、五〇年問題を経験した党が、その苦い教訓をふまえて決定し、なおかつ、その後のソ連や中国などの外国の共産党からの不当な干渉、その分派との戦いのなかで、実践的にも確かめられてきたものではないでしょうか。
4.「分派禁止=民主集中制」?
もちろん、私は「分派禁止=民主集中制」と考えているわけではありません。党内における民主的な討論を抜きにして、民主集中制が成り立つはずがありません。『さざ波通信』やそこでの党員の方々の投稿を読む限りでは、党内民主主義(党内討論など)が十分に保証されていないことは理解できます。ただ、そのことが、ただちに分派の自由や、党の決定に反する意見の勝手な公表(『さざ波通信』も)に結びつくのがおかしいと思っています。党内民主主義にどうして分派が必要なのか、いくら考えてもわかりません。党外の人間の無責任な発言になるかもしれませんが、現在の規約(民主集中制)のもとで解決していける問題ではないか、またそうしなければ、党と社会の発展もないと思っています。「民主」(党内民主主義)と「集中」(中央集権)をどのように統一していくのか、運用面も含めて大変難しいことだとは思いますが、現在の綱領と規約のもとで、そういう時がくることを願っています。(私は何もできませんが)そのためにも、『さざ波通信』やそこに投稿する党員の方々も含めての、党内での改革への努力に期待するものです。
5.不破委員長の世間に対しての民主集中制の説明
不破委員長が世間に対して民主集中制の説明をする場合、「分派の禁止について言わないのはどうしてか」とありました。党外の人間が、党員の批判から委員長を擁護するのは変な話ですが、それは事実とは違うのではないでしょうか? 「世間」に対して出された『新日本共産党宣言』でも、民主集中制の説明として、はっきりと分派を認めない立場を述べていますよね。(多くの党員の方は読んでいると思いますが)「分派」という言葉ではなく、「派閥」という言葉になっていますが、それは、「分派」という言葉は一般には、なじみが薄く、他の政党でも使われている「派閥」と言った方がわかりやすいからでしょう。ただ、必要に応じて「ソ連派分派」という言い方もしていますが。
最後に
党(指導部)の政策や規約などを批判し反対する党員を、「反党分派主義者」と簡単に片づけてはいけないように、党指導部を支持する圧倒的多数の党員を、「党中央に忠実」で「自分の頭で考えない」と言う表現には違和感を感じます。『さざ波通信』やその立場を支持する人々に、(「k」さんに対してもそうだったように)やや高慢な態度を感じるのは私だけでしょうか。(「趣味的」でふざけ半分のホームページでは、ひどい表現や、中傷があるようですが)
*仕事が忙しくなってきたので、当分、投稿は休みます。
編集部コメント
「党中央に忠実な党員」という表現はけっして侮蔑的意味で用いているのではありません。また、忠実な党員がすべて自分の頭で考えていない党員だとみなしているわけでもありません。しかしながら、表現上、党員に対し侮蔑的ないし高慢に語っていると感じとられるようなことのないよう、今後はいっそう気をつけたいと思います。
実は、先日受け取った非公開のメッセージの中でも、党員の方から、げじげじさんの指摘されているのと同趣旨のご批判をいただきました。こうした批判については謙虚に受けとめたいと思います。
私たちは、日々、地道に奮闘されている党員同志のみなさんには心からの敬意を抱いています。彼ら・彼女らこそが、言葉の本当の意味で党の主人公になるべきだと思っています。だからこそ、党員の総意や民主的な討論を無視した形での、この間の指導部の方針転換に大きな憤りを覚えているのです。
私たちは、このホームページを読まれている党員のみなさんに、改めて討論に参加されるよう呼びかけたいと
思います。党中央を支持する立場からであれ、批判する立場からであれ、ぜひとも投稿をください。現在の指導部や政策に対する評価がたとえ違っても、現代日本の政治・社会においてかけがえのない存在である日本共産党を守り発展させようとする志においては一致しているはずですから。