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綱領・規約改定討論欄

J.Dさんに関連して

2001/7/14 アイゼン、30代、学生

 J.Dさんの主旨を正確に理解したかは、わかりませんが、J.Dさんの党綱領組み立てかたにたいする根本的な整理は有益だろうと思います。J.Dさんの論説を私になりに踏まえた上で、いくつかの質問というか疑問を述べます。

<J.Dさんの論旨>
 私の理解では、J.Dさんの論旨は次のようです。

・自然発生的な経済闘争にとどまらず、それを政治闘争にまで、発展させていくことに、党の固有な任務がある。そこには、いわゆる外部からの注入が、私の理解では、つまりは経済闘争と結んだイデオロギー闘争が必要となる。その「かなめ」となる点は、労働者階級が、資本主義制度自体が、自らの利害と一致しえない制度であることを認識することである。私に言わせれば「賃金制度の廃止」。この認識に労働者階級の意識を至らせる事こそ、革命を目指す党の固有の任務である。

・党の綱領は、政治革命綱領として、私の理解では社会主義革命を中心にすえた路線に従属させて、それとの有機的連関のもとで実践的綱領が位置づけされなければならない。実践的な政策等は、常に、政治革命との有機的連関のもとに据え、意識されなければならない。

・つまり私の理解では、J.Dさんの論旨とは、経済的社会構成体の交代を目的とする党における綱領とは、その法則的移行を、つまり政治革命の先行という移行を、反映させた綱領の組み立てをすべきものである、と理解しました。それは、当然、科学的社会主義の原則的な思想・理論が中心におかれるとの前提のもとで、です。

<綱領の内容への質問>
・J.Dさんの二段階革命論への評価を鮮明にして欲しいです。資本主義内での民主主義革命を、どのように捉えているのでしょうか。改良と革命の問題、革命とは権力の問題だ、とすれば、民主主義革命は、革命ですが、経済的社会構成体としては、資本制社会にとどまります。政治革命先行といった際の、その労働者階級に浸透させるべきイデオロギー的内容は、この場合どうなりますか。

・あるいは、J.Dさんは民主主義革命路線への否定的叙述があるので、二段階革命路線自体を否定しているのでしょうか。

・J.Dさんは、「一歩一歩の改革」や「資本主義内での民主的改革」に否定的叙述をされていますが、その意図が私には不鮮明です。仮に民主主義革命路線を否定するなら、社会主義建設の展望を明らかにすべきです。そのもとでしか、政治革命先行といっても内容の無いことになります。展望がないのですから。

・あるいは、「賃金制度の廃止」(マルクス)という認識に至らせることが党の任務であり、綱領の原則的中心点だという主旨ならば、それは同感ですが、それだけなら19世紀的な段階にとどまるものだと思います。資本主義はある意味で強固であり、つまり合理的な面をもちます。それを十分認識した上で、変革の展望をもつことが今日的な党綱領の課題だと思います。

<綱領での資本主義内での対抗軸の鮮明化をこそ>
・私は二段階革命論を支持しています。これをたいした理由もなく述べるのは私の理解の程度の浅さですが、支持する最大の理由は、次の点です。
・社会主義社会への展望が、現実味を持っていないことです。社会主義社会構築の構想を、私たちは現在、理論的に持ち得ていません。
・マルクスのいうように、資本制社会は、次の社会を潜勢的に準備します。その見極めの目を、しっかり養うことが今の党の段階、社会の段階だと思います。
・重要なのは、資本主義内での変革の対抗軸を鮮明にして、労働者階級内での圧倒的な支持を得ることではないでしょうか。そのための綱領をつくることではないでしょうか。「さざ波通信」が渡辺治氏に触れていましたが、新自由主義に対抗する対抗軸、選択肢として、日本なりの新しい福祉国家の建設を掲げることが必要だと思います。それには、イデオロギー闘争が必要です。また、軍事同盟からの離脱、資本への民主的規制などの点において、権力の奪取を必要とします。つまり政治闘争が重要です。
・党の綱領において、科学的社会主義の原則・目標を掲げることは当然として、資本主義内での変革の方向をいっそう鮮明にしていくことが重要だと思います。それに即した政治闘争と(政治的)経済闘争を位置づけた綱領をつくりあげることが、肝要ではないでしょうか。