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「現状分析と対抗戦略」討論欄

「コンミューン国家」

2001/6/23 菅井 良、40代、自由業

 現在進行しつつあるわが国の政治変動はいったいどこへ向かうのであろうか。小泉内閣の誕生とともにその過程ははじまったわけだが、その目算を明確にした論をまだ見ない。
 おおざっぱに言って、庶民の生活条件はいよいよ劣化し、大量殺人、一家自殺、家族間での殺人、犯罪などが、かつての大正時代のように増大し、人々の政治経済にたいする不満も増している。小泉内閣の異常人気も、人々の政治変革への期待の大きさを表面化したものである。
 だが、今の政治支配の機構に代わるようなもう一つの権力はまだ、かたちもない。それはパリコンミューンではじめて見いだされ、1905年のロシア革命でソビエトという名の労働者の議会として再発見された。1917年の革命はそれに自覚的に依拠することによってなされた。
 そこで、この変動は日本のなかでの、コミューン国家はどのような形態をとるのか、そのひながたが出現するにいたるまで進展する、と僕は予想する。仮説ととっていただいてさしつかえない。人々は「あ、これこそわれわれの権力だ」と肺腑におちるつながり、を見いだすであろう。それが見いだされてはじめて、わが国の革命はきちんとした綱領をもつことが可能となるであろう。
 現存するいかなる運動、つながりがそれを準備することになるか、あらかじめ言うことはできない。だが、さまざまな努力がなされていることも事実である。
 パリでも、ペテルスブルグでも、その発見は突然やってきた。あらかじめ予測され、意識的に探求されていたわけではない。生じたあとから人々は、共産主義者も含めてそれが何であるかを悟ったのである。
 だが、レーニンの「国家と革命」後のわれわれは、ソビエト、レーテ、チリ、東欧のフォーラム等、いくつかの実物をも知っている。むしろ、意識的にその萌芽を評価し、探求することもできるはずであるし、そうするべきだろう。