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「現状分析と対抗戦略」討論欄

田口冨久治・渡辺治論その3

2001/10/13 桜坂 智史、40代

 田口冨久治が共産党と見解を分かち離党したこと。それは田口氏の学問を否定的に見ることではないと考える。田口・不破論争の不毛さは、それが日本の共産主義運動に実りあるプラスの遺産を残さなかったことである。ともにユーロコミュニズム路線でありながら。ただ田口氏はその後も日本の前進を真面目に追求し続けた。共産党右派というより、民主主義政治学の継承者と考える。
 渡辺治氏は企業社会概念に到達し、なぜ70年代後半から政治革新が後退したかを鮮やかに分析しえた。帝国主義化する日本社会の変革の方法論として福祉型国家を対抗戦略として描き出した。それはかつての民社党流の福祉国家論とは雲泥の差がある。グラムシや現代の社会主義研究の成果を活かしている。最近の急速な反動化にも対論を提示している。横国ノンセクトさん、ではまた!